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夏バテ症状で気持ち悪いときは要注意!熱中症・脱水との違いを解説

  1. 夏バテ症状の「気持ち悪い」は危険?
  2. 夏バテで気持ち悪くなるのはなぜ?考えられる5つの原因
    1. 暑さで体の調整機能に負担がかかっている
    2. 汗によって水分や塩分が失われている
    3. 食欲が落ちてエネルギーや栄養が不足している
    4. 冷たい飲食物のとりすぎで胃腸に負担がかかる
    5. 暑さや睡眠不足による疲労が重なっている
  3. 「気持ち悪い」ときに出やすい症状をチェック
    1. 吐き気や胃のムカムカが続く
    2. 食欲がなく食事が進まない
    3. めまいや立ちくらみを感じる
    4. だるさや疲労感が抜けない
    5. 頭痛や頭がぼんやりする感覚がある
  4. 夏バテと脱水・熱中症はどう見分ける?
    1. 夏バテと熱中症は同じものではない
    2. 吐き気やめまいがあるときは熱中症にも注意
    3. 喉の渇きや尿の状態から脱水を考える
    4. 暑い場所にいた後の体調不良は軽く考えない
    5. 自力で水分を取れないときは早めの受診が必要
  5. 夏バテで気持ち悪いときに今すぐできる対処法
    1. まずは涼しい場所へ移動して体を休める
    2. 水分だけでなく必要に応じて塩分も補給する
    3. 吐き気があるときは一度に大量に飲まない
    4. 食べられるなら胃に負担の少ないものを選ぶ
    5. エアコンと睡眠で体の回復を助ける
  6. 「夏バテだから」と放置しないための予防と受診の目安
    1. 喉が渇く前からこまめに水分を補給する
    2. 食事と睡眠をできるだけ崩さない
    3. 暑い時間帯の外出や激しい運動を避ける
    4. WBGT(暑さ指数)を参考に暑さへの対策をする
    5. 意識がおかしい・水分が取れないなどの症状は救急要請を考える
  7. まとめ
    1. 夏バテを克服

夏バテ症状の「気持ち悪い」は危険?

暑い日が続くと、「なんとなく体がだるい」「食欲がない」「胃がムカムカして気持ち悪い」と感じることがあります。

そんなとき、多くの人がまず思い浮かべるのが「夏バテ」です。

しかし、夏に気持ち悪くなる原因は、夏バテだけとは限りません。

暑い場所で汗をたくさんかいたあとに吐き気やめまい、頭痛などが出ているなら、熱中症の可能性もあります。

環境省も、暑い環境にいた後の吐き気や頭痛、倦怠感などを熱中症の可能性がある症状として注意を呼びかけています。

そこでこの記事では、「夏バテ症状で気持ち悪い」と感じたときに考えられる原因を分かりやすく整理しました。

夏バテと脱水、熱中症はどう違うのか、気持ち悪いときに何をすればよいのか、どんな症状なら病院に相談したほうがよいのかまで詳しく紹介します。

「ただの夏バテだろう」と決めつけず、自分の体調を確認するための参考にしてください。

夏バテで気持ち悪くなるのはなぜ?考えられる5つの原因

暑さで体の調整機能に負担がかかっている

暑い季節に体調を崩す理由の一つは、体温を一定に保とうと体へ負担がかかることです。

人間の体は、暑くなると汗をかいたり、皮膚の血流を増やしたりして熱を外へ逃がします。

暑い日が長く続くと、体温調節を続けること自体が負担になる場合があります。

その結果として、疲れやすい、体が重い、食欲が落ちるなど、いわゆる「夏バテ」と呼ばれる状態につながることがあります。

屋外と冷房の効いた室内を何度も行き来する生活では、温度差によって体が対応しなければならない場面が増えます。

暑さで寝苦しい夜が続けば、睡眠不足も重なります。

注意したいのが、「暑さによる疲労」と「熱中症」は別物として考える必要があることです。

夏バテという言葉は日常的な体調不良を表す言葉であり、医学的に一つの病名として定義されているわけではありません。

熱中症は高温多湿などの環境によって体温調節がうまく働かなくなり、さまざまな症状が起こる病気です。

「夏バテだろう」と思っても、暑い場所にいたあとに急に気持ち悪くなった、めまいがする、頭痛がするなどの変化がある場合には、熱中症の可能性を考えることが大切です。

気持ち悪さがあるときは、まず無理をして活動を続けないこと。

涼しい場所へ移動し、体を休ませることが第一です。

「少し休めば大丈夫」と我慢するより、体が出しているサインを早めに受け止める。

汗によって水分や塩分が失われている

夏に気持ち悪くなる原因として、汗による水分不足も見逃せません。

暑い場所で過ごしたり、運動したりすると汗をかきます。

汗には水分だけでなく、電解質も含まれています。

大量に汗をかいたときには、水分だけでなく塩分なども失われるため、体のバランスが崩れやすくなります。

環境省も、汗をかく場面では水分とともに塩分も失われるため、水分だけでなく塩分も補給することを勧めています。

「水を飲んでいるから大丈夫」と思っていても、汗を大量にかいている状況では、それだけで十分とは限りません。

ここで大切なのは「誰でも大量に塩分を取ればいい」という意味ではないことです。

普段の食事から塩分を取れている人と、大量に汗をかいた人では必要な対応が異なります。

持病で塩分や水分の摂取について医師の指示を受けている場合は、指示を優先してください。

水分不足が進むと、口が乾く、尿の量が減る、尿の色が濃くなる、疲労感が出るなどの変化がみられることがあります。

これらの症状だけで脱水の程度を正確に判断することはできません。

暑い環境のあとに吐き気、頭痛、めまい、倦怠感などがある場合は、脱水だけでなく熱中症も考える必要があります。

環境省は、このような症状が出た場合には、まず涼しい場所へ移動し、体を冷やし、水分・塩分を補給するよう案内しています。

「喉が渇いているから水を飲む」だけでなく、暑い日はこまめに水分を取ることが大切です。

食欲が落ちてエネルギーや栄養が不足している

暑くなると、冷たい飲み物や食べやすいものばかりになり、食事量が減ってしまう人もいます。

食欲が落ちて一時的に食べる量が少なくなる程度なら珍しいことではありません。

それが何日も続くと、体に必要なエネルギーや栄養素を十分に取れなくなる可能性があります。

「暑いから食べたくない」
「朝は飲み物だけ」
「昼はアイスや麺だけ」
「夜も食欲がなくて少ししか食べない」

このような食生活が続けば、体を動かすためのエネルギーが不足し、疲れやすさを感じることがあります。

食事量が減ると、食事から取っていた水分や塩分なども少なくなります。

暑い季節には汗もかくため、食事を抜くことが体調管理に影響する場合があります。

だからといって、気持ち悪いときに無理やり大量に食べる必要はありません。

体調を優先し、食べられる範囲で消化しやすいものを選ぶことが大切です。

食欲が戻ってきたときには、主食だけで済ませるのではなく、卵、豆腐、魚、肉などのたんぱく質を含む食品や、野菜、果物などを組み合わせると、食事のバランスを整えやすくなります。

吐き気が強く、水分すら取れない状態なら「栄養を取らなければ」と食事を優先する必要はありません。水分が取れない状態は医療機関への相談が必要になることがあります。

環境省も、吐き気などで自力で水分を取れない場合や症状が改善しない場合は、医療機関を受診するよう案内しています。

「食べられない=必ず夏バテ」と決めつけず、どのくらい続いているか、ほかにどんな症状があるかを確認しましょう。

冷たい飲食物のとりすぎで胃腸に負担がかかる

暑い日は、冷たい水やジュース、アイス、冷たい麺類などを取りたくなります。

適度に冷たい飲み物を利用すること自体が悪いわけではありません。

暑いときには適切な水分補給が重要です。

冷たい飲み物ばかりを大量に飲んだり、食事の代わりに冷たいものだけを取ったりする食生活が続けば、食事全体のバランスが崩れることがあります。

冷たい飲食物をたくさん取ったことで、胃腸の調子が悪くなったように感じる人もいます。

注意したいのは、「冷たいものを食べたから夏バテになった」と単純に考えないことです。

夏の体調不良には、暑さ、睡眠不足、食事量の変化、水分不足など複数の要因が関係している可能性があります。

吐き気があるときには「夏だから胃腸が弱っている」と自己判断せず、腹痛、下痢、発熱、血便など、ほかの症状がないか確認しましょう。

胃腸炎など別の病気が原因で気持ち悪くなっている可能性もあるためです。

症状が強い、何度も吐く、便に血が混じる、黒っぽい便が出る、強い腹痛があるなどの場合は、夏バテだけでは説明できない可能性があります。

夏バテ対策は「何を食べるか」だけでなく、「体調に合わせて無理をしない」ことも重要です。

暑さや睡眠不足による疲労が重なっている

夏の体調不良を考えるとき、睡眠不足も忘れてはいけません。

暑い夜は寝苦しく、エアコンを我慢して眠りが浅くなり、何度も目が覚めることがあります。

睡眠が十分に取れない日が続けば、日中の疲労感につながります。

暑さで体力を消耗し、食事量も減っているところに睡眠不足が重なると、「朝から体が重い」「仕事や勉強に集中できない」「何をするにも疲れる」といった状態になりやすくなります。

こうした状態を一般的に夏バテと呼ぶことがあります。

「夏バテ」は医学的に明確な一つの病名として定義されているわけではなく、慢性的な疲労、胃腸症状、睡眠障害など、複数の不調をまとめて表現する言葉として扱われることがあります。

夏バテ対策は「スタミナのあるものを食べれば解決」と考えるより、生活を見直すことです。

夜は室温を適切に調整し、暑さを我慢しすぎないようにしましょう。

環境省も、熱中症は屋外だけでなく室内でも起こるため、エアコンを適切に使用するよう呼びかけています。

十分に休んでも気持ち悪さが続くなら、「夏バテだから」と放置しないことも重要です。

体調不良が長引くときには、暑さ以外の原因が隠れている可能性があります。

症状の強さや経過を見ながら、必要なら医療機関へ相談しましょう。

「気持ち悪い」ときに出やすい症状をチェック

吐き気や胃のムカムカが続く

「気持ち悪い」と感じるとき、もっとも分かりやすい症状が吐き気です。

胃がムカムカする、食べ物を見ると気分が悪くなる、吐きそうなのに吐けない、といった感覚が出ることがあります。

吐き気は夏バテだけに起こる症状ではありません。

暑い環境の後に吐き気が出た場合には熱中症も考えられますし、感染性胃腸炎、食あたり、片頭痛、薬の副作用など、さまざまな原因が考えられます。

「吐き気がある=夏バテ」と判断するのは危険です。

確認したいのが、吐き気が始まったタイミングです。

炎天下で長時間過ごしたあとに急に吐き気が出てきたのであれば、暑さによる体調不良を疑う必要があります。

食事のあと腹痛や下痢、発熱が一緒に出ているなら、胃腸の病気など別の原因も考えられます。

吐き気が強いと水分補給が難しくなります。

水分を飲んでも吐いてしまう、自分で水分を取れないという状態になった場合は、脱水が進むおそれがあるため、無理に自宅で様子を見続けないことが大切です。

環境省は、暑い環境の後に吐き気などがあり、自分で水分を取れない場合は医療機関を受診するよう案内しています。

吐き気そのものよりも、「何と一緒に起こっているか」「いつから起こっているか」に注目すると、状況を整理しやすくなります。

食欲がなく食事が進まない

夏に食欲がなくなるのは、珍しいことではありません。

暑い日は「食事をするより冷たいものを飲みたい」と感じ、料理をする気力がなくなります。

食欲不振が続いている場合には注意が必要です。

食事量が減ると、エネルギーや栄養素を十分に取れなくなるだけでなく、食事から摂取していた水分なども減る可能性があります。

暑さで汗をかけば水分や塩分も失われます。

「食欲がない→食事量が減る→体力が落ちる→さらに食欲がなくなる」という悪循環に陥ることがあります。

こうした状態がいわゆる夏バテの一部として語られることがありますが、食欲不振には別の原因もあります。

胃腸の病気、感染症、ストレス、薬の影響などです。

食欲が少し落ちている程度なら、無理に一食分を完食しようとせず、食べられる量を数回に分ける方法もあります。

何日もほとんど食べられない、体重が減ってきた、吐き気が強い、腹痛や発熱があるなどの場合は、夏バテと決めつけないほうがよいでしょう。

水分まで取れなくなっている場合は注意が必要です。

「何を食べれば夏バテが治る?」と考える前に、水分が取れているか、症状が悪化していないかを確認しましょう。

体調が悪いときには、食事の内容よりも安全を優先することが大切です。

めまいや立ちくらみを感じる

「立ち上がったときにクラッとする」「目の前がふわっとする」というめまいや立ちくらみも、夏の体調不良で気になる症状です。

暑い環境では汗をかくため、体内の水分が不足しやすくなります。

熱中症でもめまいや立ちくらみが起こることがあります。

環境省は、めまいや立ちくらみ、頭痛などを熱中症の可能性がある症状として挙げています。

暑い場所にいたあと「少しフラフラするけれど大丈夫」と無理をするのはおすすめできません。

その場の作業や運動をやめ、涼しい場所へ移動しましょう。

座れるなら座り、可能であれば横になって休みます。

意識がはっきりしていて、自分で飲める状態なら水分を補給します。

めまいが強い、意識がぼんやりしている場合は、自分だけで対処しようとしないことです。

めまいには熱中症以外にもさまざまな原因があります。

繰り返すめまい、激しい頭痛、胸の痛み、息苦しさ、手足の麻痺など、気になる症状を伴う場合は、夏バテと決めつけず医療機関へ相談してください。

「夏だから仕方ない」と我慢しないで、いつもと違う症状かどうかを考えることが大切です。

だるさや疲労感が抜けない

「寝ても疲れが取れない」「体が重くて動くのがつらい」という状態も、夏に多い悩みです。

暑い環境では体温調節のために体が働き続けるため、疲労を感じることがあります。

睡眠不足、食欲低下、水分不足などが重なると、さらに体調を崩しやすくなります。

こうした複数の要因による夏の不調を、一般的に夏バテと呼ぶことがあります。

強いだるさは熱中症でも見られる症状です。

環境省の2025年版マニュアルでも、暑い環境にいた後の倦怠感は熱中症の可能性がある症状として挙げられています。

そこで大切なのが、「だるい」という症状だけを見るのではなく、どんな状況で起きたかを考えることです。

暑い屋外で活動した直後から急にだるくなったのであれば、熱中症への対応を優先します。

何週間も睡眠不足が続いていて、朝から疲れているという場合には、生活習慣やほかの体調要因も考える必要があります。

休んでも改善しない、日常生活に支障が出る、症状がどんどん強くなる場合には、医療機関に相談しましょう。

「夏バテ」という言葉は便利ですが、原因を隠してしまうこともあります。

体が長期間つらいときは、原因を確認する姿勢が大切です。

頭痛や頭がぼんやりする感覚がある

夏に「頭が痛い」「頭がぼーっとする」という症状が出ることもあります。

睡眠不足や疲労、暑さなどによって体調が崩れている場合もありますが、暑い環境の後に頭痛やぼんやりする感覚が出てきた場合には、熱中症を疑う必要があります。

環境省は、暑い環境にいた後の頭痛や吐き気、倦怠感、めまいなどを熱中症の可能性がある症状として紹介しています。

注意したいのは、意識や反応に変化がある場合です。

「何を話しているのか自分でもよく分からない」「呼びかけへの反応がおかしい」「意識がぼんやりしている」といった状態は、単なる疲労として扱わないほうが安全です。

環境省は、呼びかけに反応がない場合や水分を自力で取れない場合には、ためらわず救急車を呼ぶよう案内しています。

頭痛についても、非常に強い痛み、突然の激しい痛み、意識の変化、手足の麻痺などを伴う場合には、熱中症だけでなく緊急性のある病気も考えられます。

「夏バテかもしれない」と自己判断して様子を見続けるのではなく、症状の強さと経過を確認してください。

暑い日の体調不良では、「いつもの疲れ」と「危険なサイン」を区別することが重要です。

夏バテと脱水・熱中症はどう見分ける?

夏バテと熱中症は同じものではない

知っておきたいのは、夏バテと熱中症は同じ意味ではないということです。

「夏バテ」は日常的に使われる言葉で、夏の暑さなどによる疲労感、食欲低下、胃腸の不調、睡眠の乱れなどをまとめて表現することがあります。

医学的に一つの病気として明確に定義されたものではありません。

熱中症は暑さなどの環境条件と体の状態、行動などが関係して起こる病気です。

環境省は、気温や湿度が高い、風が弱いといった環境に加え、激しい運動や体が暑さに十分対応できないことなどが熱中症につながると説明しています。

この違いを理解しないと、「夏バテだから休んでいればいい」と考えてしまう可能性があります。

暑い環境にいたあとに吐き気、めまい、頭痛、強いだるさなどが出ているなら、熱中症の可能性を考える必要があります。

熱中症は重症化することがあるため、早い段階で暑さから離れて体を冷やすことが重要です。

環境省も、違和感を覚えた場合にはすぐに涼しい場所へ移動し、体を冷やし、水分・塩分を補給するよう案内しています。

「夏バテか熱中症かを自宅で完璧に診断する」というよりも、危険な可能性があるときに早めに対応することが重要なのです。

吐き気やめまいがあるときは熱中症にも注意

夏に気持ち悪くなったとき、最も注意したいのが熱中症の可能性です。

環境省の2025年版マニュアルでは、暑い環境にいた後にめまい、こむら返り、頭痛、吐き気、倦怠感などの体調不良がある場合は、熱中症の可能性があるとしています。

「吐き気があるから胃の調子が悪いだけ」と考えるのではなく、直前までどこにいたのかを思い出してみましょう。

炎天下で歩いていた。
屋外でスポーツをしていた。
暑い部屋で長時間作業していた。
風通しの悪い場所にいた。

こうした状況の後に気持ち悪くなったのであれば、熱中症への対応を優先することが大切です。

涼しい場所へ移動し、衣服を緩め、首や脇の下などを冷やします。

意識がはっきりしていて自分で飲めるなら、水分と塩分を補給します。

反対に、意識がおかしい、水分を自力で飲めない、症状が改善しないという場合は、自宅で様子を見続けないことが重要です。

日本救急医学会も熱中症診療ガイドライン2024を公表しており、熱中症は医療現場でも重要な疾患として扱われています。

「熱中症かもしれない」と感じた時点で、無理をやめることが予防につながります。

喉の渇きや尿の状態から脱水を考える

夏の体調不良では、脱水も気になるところです。

水分が不足すると、口の渇きなどが起こることがあります。

尿量が少なくなったり、尿の色が濃くなったりすることもあります。

これらの変化だけで「脱水している」「脱水していない」と正確に判断できません。

高齢者では喉の渇きを感じにくい場合があり、暑い環境では喉が渇く前からこまめに水分を取ることが重要です。

環境省も、「喉が渇いたときだけ」ではなく、喉が渇く前からこまめに水分・塩分を補給することを勧めています。

汗を大量にかいたときには、水分とともに塩分も失われます。

状況に応じて塩分を含む飲料などを利用することも選択肢になります。

経口補水液は普段の水分補給用の飲料として考えるのではなく、脱水状態が疑われる場合などに適切に利用するものです。

持病などがある場合には、自己判断で大量に摂取せず、医師や薬剤師などに相談してください。

吐き気が強く水分を飲めない場合は、口からの水分補給を続けることが難しくなります。

その場合には、脱水が進む可能性があるため、医療機関への相談が必要です。

暑い場所にいた後の体調不良は軽く考えない

夏バテと熱中症を区別するときに役立つのが、「症状が出た直前の環境」です。

朝からなんとなくだるく、食欲も少し落ちているという場合は、暑さや睡眠不足などによる夏の体調不良が考えられます。

暑い屋外で長時間活動したあと、急に吐き気や頭痛、めまいが出てきた場合は、熱中症を疑う必要があります。

環境省は、暑い環境にいた後の体調不良について、症状が軽そうに見えても熱中症の可能性があるため、すぐに応急処置を行うことが大切だとしています。

重要なのは、症状の名前ではなく「その人が今どういう状態なのか」です。

「夏バテっぽい」
「昨日から疲れている」
「少し気持ち悪いだけ」

という印象だけで判断しないようにしましょう。

暑さの中で活動していた人は、本人が「大丈夫」と思っていても、体が限界に近づいている可能性があります。

違和感を覚えたら、まず活動を止める。涼しい場所へ行く。

体を冷やす。飲めるなら水分・塩分を補給する。

これが基本です。

それでも改善しない場合には医療機関へ相談します。

「大げさかな」と思って我慢するより、早めに休むほうが安全です。

自力で水分を取れないときは早めの受診が必要

夏の吐き気で特に重要なのが、「水分を自分で取れるかどうか」です。

吐き気があっても、意識がはっきりしていて少量ずつ水分を取れるのであれば、涼しい場所で休みながら様子をみることができる場合があります。

吐き気が強くて水分を飲めない、飲んでも吐いてしまうという状態では、自宅で十分な水分補給ができません。

環境省のマニュアルでも、吐き気などがあり自分で水分を取れない場合や、応急処置をしても症状が改善しない場合は、すぐに医療機関を受診するよう案内しています。

呼びかけに反応しない、反応がおかしいなど意識に異常がある場合には、救急車を呼ぶことが推奨されています。

これは「夏バテだから病院に行く」という話ではありません。

熱中症など、早い対応が必要な状態を見逃さないためです。

「水分が取れない」という一点だけでも、重要な判断材料になります。

一人でいるときに症状が強くなった場合は、無理に自分だけで判断せず、家族や周囲の人に助けを求めましょう。

夏バテで気持ち悪いときに今すぐできる対処法

まずは涼しい場所へ移動して体を休める

気持ち悪いと感じたら、最初にやるべきことは「我慢して活動を続けない」ことです。

暑い場所にいるなら、エアコンの効いた室内や風通しのよい日陰、涼しい場所へ移動しましょう。

環境省は、熱中症が疑われる場合の応急処置として、まず暑さを避けることを挙げています。

「あと少しだけ仕事をしてから」
「ここまで来たから目的地まで行こう」
「運動を終えるまで休めない」

と無理をするのは避けてください。

体調が悪いときは、活動を中断することそのものが大切な対策になります。

涼しい場所に移動したら、衣服を緩めて体を休ませます。

体が熱い場合には、冷たいタオルや水、アイスパックなどを使って体を冷やします。

首、脇の下、足の付け根などを冷やす方法もあります。

寒気がするほど冷やし続ける必要はありません。体の状態を確認しながら行いましょう。

ふらつきがあるときは転倒にも注意してください。

一人で歩くのが危険なほどつらい場合には、周囲の人に助けてもらうことも大切です。

夏バテか熱中症かをその場で確定させる必要はありません。

「暑さから離れる」「休む」「体を冷やす」という安全な行動を取ることが先です。

水分だけでなく必要に応じて塩分も補給する

暑い日に汗を大量にかいた場合、水分だけでなく塩分も失われます。

そのため、熱中症が疑われる状況では、水分と塩分の両方を補給することが重要です。

環境省も、水分だけではなく塩分も補給するよう案内しています。

「夏バテで気持ち悪いなら、とにかく塩分を大量に取ればいい」という意味ではありません。

普段の食事が取れている人と、激しい運動や作業で大量に汗をかいた人では状況が異なります。

水分補給では、本人が飲める状態であることが大前提です。

意識がぼんやりしている、呼びかけへの反応がおかしい、水分を自力で飲めない場合は、無理に飲ませないでください。

環境省は、呼びかけに反応がない、水分を自力で摂取できない場合には救急車を呼ぶよう案内しています。

持病などによって水分や塩分の摂取量について医師から指示されている場合は、その指示を優先してください。

普段の予防では、喉が渇く前からこまめに水分を取ることがポイントです。

一度に大量に飲むより、こまめに補給することを意識しましょう。

暑い日は「喉が渇いてから飲む」ではなく、「暑い場所にいるなら定期的に飲む」と考えると実践しやすくなります。

吐き気があるときは一度に大量に飲まない

吐き気があるときは、「脱水しないようにたくさん飲まなければ」と考えます。

気持ち悪い状態で一度に大量の飲み物を飲むと、さらに吐き気が強くなることがあります。

自分で水分を飲める状態であれば、少量ずつ、無理のない範囲で補給する方法が考えられます。

これはあくまで「自力で飲める場合」です。

吐いてしまって水分を保てない、自分で水分を取れない、意識がおかしいという場合には、無理に口から飲ませてはいけません。

環境省も、自力で水分を取れない場合や症状が改善しない場合には医療機関を受診するよう案内しています。

飲み物を選ぶときには、汗を大量にかいた状況なら水分だけでなく塩分も補えるものが選択肢になります。

日常的な水分補給と、脱水状態への対応は同じではありません。

「何を飲めばいいか」だけに注目せず、「飲める状態なのか」をまず確認しましょう。

アルコールは水分補給の代わりにはなりません。

夏の暑い日にお酒を飲んで、屋外で活動するような場合は、体調の変化に注意してください。

吐き気が強いときには、飲み物の種類を次々に試すより、涼しい場所で安静にし、症状が続くなら医療機関へ相談することが安全です。

食べられるなら胃に負担の少ないものを選ぶ

気持ち悪いときに「体力をつけるためにたくさん食べよう」とする必要はありません。

むしろ、吐き気がある状態で無理に食べると、気分が悪くなることがあります。

食べられそうなら、消化しやすく、普段から食べ慣れているものを少量から試しましょう。

おかゆ、やわらかく煮たうどん、スープ、豆腐、卵料理など、自分が食べやすいものを選ぶ方法があります。

「夏バテには必ずこの食べ物」という決まった食品があるわけではありません。

重要なのは、食べられるようになったら少しずつ通常の食事へ戻していくことです。

食欲が戻ってきたら、主食だけでなく、たんぱく質や野菜、果物なども取り入れ、栄養の偏りを減らしていきます。

吐き気が強い場合や、水分も取れない場合には食事を無理に取る必要はありません。

水分を取れる状態かどうかを確認し、取れない場合には医療機関への相談を優先します。

発熱、強い腹痛、下痢、血便などがある場合は、単純な夏バテではない可能性もあります。

「夏だから食欲がない」と決めつけないことが大切です。

食事は体調を戻すための重要な要素ですが、体調が悪いときには「食べること」より「安全に休むこと」を優先しましょう。

エアコンと睡眠で体の回復を助ける

夏バテを防ぐためには、休養も重要です。

見直したいのが睡眠環境です。

夜に暑くて眠れない場合は、エアコンを我慢しすぎないようにしましょう。

環境省も、熱中症は室内でも起こるため、エアコンを適切に使うよう呼びかけています。

「冷房は体に悪いから使わない」という考え方だけで我慢すると、暑さによって睡眠が妨げられる可能性があります。

寝室の温度や湿度、寝具、風の当たり方などを調整し、自分が眠りやすい環境を作りましょう。

昼間に疲れたからといって、夜更かしをしてしまうと回復の妨げになります。

できるだけ毎日の睡眠時間を確保し、朝起きる時間も大きく乱さないようにすると、生活リズムを整えやすくなります。

気持ち悪さがある日は、激しい運動や長時間の外出を控えることも大切です。

「汗をかけば元気になる」と無理に運動する必要はありません。

体調が悪いときには休み、回復してから少しずつ通常の活動に戻します。

夏バテ対策というと、食事や水分補給に目が向きがちですが、睡眠と休養も同じくらい大切です。

十分に休んでも吐き気や強いだるさが続くなら、生活習慣だけの問題ではない可能性があります。

症状が長引く場合には、医療機関に相談しましょう。

「夏バテだから」と放置しないための予防と受診の目安

喉が渇く前からこまめに水分を補給する

夏の水分補給で大切なのは、「喉が渇いたら飲む」だけにしないことです。

環境省は、喉が渇く前から、こまめに定期的に水分・塩分を補給するよう勧めています。

特に、屋外で長時間活動する日、スポーツをする日、暑い場所で仕事をする日は、普段より汗をかきやすくなります。

そうした日は、飲み物を持ち歩き、休憩のタイミングなどで水分を補給する習慣を作るとよいでしょう。

また、汗を大量にかいた場合には、水分だけでなく塩分も失われます。

ただし、必要な水分量や塩分量は、年齢、体格、活動量、環境、健康状態などによって異なります。

「1日に必ず何リットル飲む」と一律に考えるより、活動状況に合わせてこまめに補給することが大切です。

持病などで水分や塩分に制限がある人は、自己判断で増やさず、医療者の指示に従ってください。

さらに、飲み物を飲んでいるから絶対に熱中症にならないわけではありません。

環境省も、「水を飲んでいるから大丈夫」「室内だから大丈夫」という考えだけでは不十分だと注意を促しています。

水分補給に加えて、暑さを避ける、休憩する、エアコンを適切に使うなど、複数の対策を組み合わせましょう。

食事と睡眠をできるだけ崩さない

夏バテを防ぐには、毎日の生活リズムを大きく崩さないことも重要です。

暑いからといって食事を抜いたり、夜遅くまでスマートフォンを見て睡眠時間を削ったりすると、体調を整えにくくなります。

食欲がない日でも、完全に食事を抜くのではなく、食べられるものを少量から取るようにします。

食欲が戻ってきたら、主食、主菜、副菜を意識して、できるだけ偏りの少ない食事に戻していきましょう。

特別な「夏バテ専用食品」を探す必要はありません。

普段の食事を基本にして、肉、魚、卵、大豆製品などのたんぱく質、野菜や果物などを組み合わせることを意識するとよいでしょう。

そして、睡眠も大切です。

暑くて眠れないなら、エアコンなどを使って睡眠環境を整えます。

夜間の暑さを我慢することが、必ずしも健康的とは限りません。環境省も夜間や就寝中を含め、エアコンを適切に使うよう呼びかけています。

さらに、朝から強い疲労感がある日は、前日の睡眠時間や暑い環境での活動量を振り返ってみましょう。

夏バテ対策は、特別な方法を一つ取り入れるより、「食べる・眠る・休む・水分を取る」という基本を崩さないことが大切です。

暑い時間帯の外出や激しい運動を避ける

暑い日は、「暑さそのものを避ける」ことも大切です。

特に気温や湿度が高い時間帯に、長時間の屋外活動や激しい運動をすると、熱中症のリスクが高まります。

環境省は、熱中症の発生には気温だけでなく湿度、風などの環境条件や、運動・労働などの行動、体調など複数の要因が関係すると説明しています。

そのため、「気温が30度未満だから大丈夫」と単純に判断するのは適切ではありません。

暑さ指数、いわゆるWBGTを確認するのも方法の一つです。

WBGTは気温だけでなく、湿度や日射・輻射などを考慮した指標で、環境省は熱中症予防のための情報として提供しています。

暑い時間帯に外出しなければならない場合は、日陰を利用したり、休憩場所を確保したり、通気性のよい服装を選んだりするなどの工夫をしましょう。

スポーツや屋外作業をする場合は、体調が悪ければ中止する判断も必要です。

「予定していたから最後までやる」という考え方ではなく、「体調が悪ければ変更する」という柔軟さを持つことが、熱中症予防につながります。

夏バテで気持ち悪い状態なら、まず回復を優先しましょう。

WBGT(暑さ指数)を参考に暑さへの対策をする

「今日はどのくらい暑いのか」を判断するときに役立つのがWBGTです。

WBGTは「暑さ指数」とも呼ばれ、熱中症を予防するための指標として環境省が情報提供しています。

環境省の情報では、WBGTが31以上は「危険」、28以上31未満は「厳重警戒」、25以上28未満は「警戒」、25未満は「注意」という目安が示されています。

ただし、これは単純に「この数値なら絶対安全」という境界線ではありません。

同じ暑さでも、年齢、体調、暑さへの慣れ、活動内容などによって体への負担は変わります。

特に、寝不足だったり、体調を崩していたり、前日から疲れていたりする場合には、より慎重な行動が必要です。

環境省では、全国の暑さ指数の実況・予測などを公開しています。

外出や運動の予定がある日は、天気予報だけでなく暑さ指数も確認する習慣をつけるとよいでしょう。

ただし、WBGTが低めでも、体調が悪ければ無理をしてはいけません。

「数値が大丈夫だから活動する」のではなく、「数値と自分の体調の両方を見る」ことがポイントです。

夏バテのような軽い不調を感じた段階で活動を控えれば、さらに体調を崩すことを防げる場合があります。

意識がおかしい・水分が取れないなどの症状は救急要請を考える

夏に気持ち悪くなったとき、最も重要なのは「危険な状態を見逃さないこと」です。

次のような状態がある場合は、単純な夏バテと考えず、緊急性を考えてください。

  • 呼びかけても反応がない
  • 意識がぼんやりしている
  • 反応がおかしい
  • 自力で水分を取れない
  • 強い症状が続いている
  • 暑い環境で体調が急激に悪化した

環境省は、呼びかけに反応がない場合や水分を自力で摂取できない場合には、ためらわず救急車を呼ぶよう案内しています。

また、暑い環境にいた後に吐き気や頭痛、めまい、倦怠感などが出た場合には、熱中症の可能性があります。まず涼しい場所へ移動し、体を冷やすことが重要です。

「寝れば治るかもしれない」と一人で我慢するのは避けましょう。

特に意識がおかしい場合には、自分で飲み物を飲もうとすることも危険になる可能性があります。

周囲に人がいる場合は、助けを求めてください。

また、吐き気やだるさが長く続く場合、何度も繰り返す場合、発熱や強い腹痛など別の症状がある場合も、夏バテだけとは限りません。

医療機関を受診するときには、「いつから」「どこで」「何をしていたときに」「どんな症状が出たか」を伝えると、状況を説明しやすくなります。

夏の不調は身近だからこそ、軽く考えやすいものです。

しかし、熱中症は重症化する可能性があります。日本救急医学会も熱中症診療ガイドライン2024を公表しています。

「夏バテかな?」と思ったときほど、症状の程度と経過をしっかり確認しましょう。

まとめ

「夏バテ症状で気持ち悪い」と感じる原因は一つとは限りません。

暑さによる疲労、睡眠不足、食欲低下、水分不足が重なって、体調が崩れています。

夏バテという言葉は医学的に一つの病名として定義されたものではありません。そのため、吐き気やめまい、頭痛、強いだるさなどがあるときに、すべてを「夏バテ」と決めつけるのは避けたほうがよいでしょう。

暑い環境にいたあとに気持ち悪くなった場合は、熱中症の可能性があります。

その場合は、まず涼しい場所へ移動し、体を冷やします。

意識がはっきりしていて自力で飲めるなら、水分と必要に応じて塩分を補給します。

水分を自力で取れない、意識や反応がおかしい、症状が改善しないといった場合には、我慢せず医療機関への相談や救急要請を検討してください。

夏の体調管理で大切なのは、「夏バテになったらどうするか」だけではありません。

喉が渇く前からこまめに水分を取る、暑さを避ける、エアコンを適切に使う、食事と睡眠を整える、暑さ指数(WBGT)を確認するなど、普段からできる対策があります。

「気持ち悪いけれど、夏だから仕方ない」と我慢するのではなく、体からのサインとして受け止めること。

それが、夏バテと熱中症の両方から自分の体を守るための第一歩です。

※この記事は一般的な健康情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。症状が強い場合や心配な場合は、医療機関に相談してください。

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