今日の出来事などを

放課後の光と、帰り道の約束

授業が終わったあとの教室は、どこか特別な空気があった。西日が差し込んで、机や床がオレンジ色に染まる。さっきまで賑やかだった教室が、少しずつ静かになっていくあの時間が好きだった。友だちと「また明日ね」と言い合って、ランドセルを背負い、校庭を横...
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窓ぎわの席と、遠い空

教室の窓ぎわの席は、特等席だった。授業中なのに、つい外を見てしまう。先生の声が遠くなり、視線の先には広い空と、ゆっくり流れる雲。あの頃の私は、空を見ながらいろんなことを考えていた。大人になったら何になるんだろうとか、遠くの街にはどんな人がい...
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消しゴムのかすと、小さな勇気

小学校の机を思い出すと、いつも一緒に浮かぶのが消しゴムのかすだ。授業中、ノートを消すたびにぽろぽろ落ちて、机の上に白い小さな山ができた。あの頃の私は、今よりずっと臆病だった。手を挙げるのが怖くて、答えが分かっていても黙ってしまうことが多かっ...
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木の机が覚えていた、あの頃のぬくもり

「小学校時代木の机に残る小さく書いた言葉は、誰かの時間の跡」この言葉をふと思い出したのは、朝の静かな時間だった。なぜ急にこんな記憶がよみがえったのか自分でも分からない。でも、思い出はいつも不意打ちのようにやってくる。小学校の教室は、今思えば...
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あの戸を開けた朝

夜、湯のみを手にしながら今日一日を振り返る。心に残っているのは、やはり今朝の駄菓子屋の姿だ。まだ開いていないガラス戸。人の気配のない静かな店先。それなのに、私の心の中では、何度もあの戸を開けていた。小さな手で引き戸をつかみ、ガラガラと音を立...
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十円玉の重み

昼ごろになれば、あの駄菓子屋のガラス戸は開き、子どもたちが次々と中へ入っていくのだろう。ポケットの中で小銭を握りしめながら、少し緊張した顔で。駄菓子屋は、子どもにとって初めての「自分の世界」だった。親の手を離れ、自分で選び、自分で払う。十円...
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ガラガラ戸の記憶

配達を終えた帰り道、もう一度あの駄菓子屋の前を通った。朝日は昇っていたが、まだ開店前。木枠のガラス戸はぴたりと閉じられ、店の中は薄暗いままだった。あの戸を開けるときの「ガラガラ」という音が、私は好きだった。子どもながらに「お店に入る」という...
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曇りガラスの向こう側

まだ夜明け前の薄暗い道を、新聞配達のために自転車で走らせていると、角にある小さな駄菓子屋の前を通った。昭和の頃から変わらぬその店は、木枠のガラス戸を閉めたまま、静かに朝を待っている。開店は朝十一時ごろ。今はまだ、店も眠っている時間だ。ガラス...