今日の出来事などを

五年生の私がまいた「信じる力」という種

小学5年生の私へ。あなたは、テレビの前で本気で喜び、本気で悔しがっていましたね。あの真っ直ぐな気持ちは、今の私にもちゃんと残っています。柏鵬時代が終わり、時代は移り変わった。テレビもカラーになり、街も変わった。でも、あの白黒の画面の中で見た...
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「逃げない背中」に憧れて

相撲中継の時間になると、家の空気が変わった。父は腕を組み、母は台所から顔を出す。家族みんなが、テレビの前に集まる。柏戸と大鵬が対峙する瞬間。あの緊張感は、今でも忘れられない。呼吸を止める。「はっけよい…のこった!」ぶつかり合う音。土俵の砂が...
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「柏戸がいい」と言い切った放課後

学校でも、相撲の話題は尽きなかった。「昨日、大鵬すごかったな!」「やっぱり大鵬だよな!」そんな声の中で、私は言った。「いや、柏戸のほうが強いよ。」すると友だちが笑う。「えー? 大鵬だろ!」なぜか少数派だった。でも、私は引かなかった。強さだけ...
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私のなかの柏戸 ―― 夢中になるという幸せ

小学5年生の私は、大相撲に夢中だった。今思えば、どうしてあんなにも胸が高鳴っていたのか、不思議なくらいだ。当時は「柏鵬時代」と呼ばれていた。横綱・大鵬と横綱・柏戸。世の中の大人は「やっぱり大鵬は強い」と言っていたが、私は断然、柏戸を応援して...
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甘い記憶の終着駅 ― 母へ贈る「おいしい」の言葉

線路わきの笹、母の手、妹の笑顔、弟の無邪気な声。どれも鮮明に浮かぶ。あの頃、我が家は裕福ではなかった。けれど、足りないと感じたことはない。笹の葉一枚で、団子がごちそうに変わる。母の工夫は魔法のようだった。私は団子をほおばりながら、ただ「うま...
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不便という名の、あたたかな贈り物

台所いっぱいに広がる湯気。昭和の家は広くはなかったが、蒸し器から立ちのぼる湯気で、さらに狭く感じた。それでも、そこには幸せが詰まっていた。母の手は早い。団子をのばし、餡を包み、笹で挟む。無駄のない動き。私はその横でじっと見ていた。「ちゃんと...
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守る人がいるという、甘い誇り

小学5年生の私は、長男というだけで、どこか偉くなった気がしていた。線路わきに笹を取りに行く日、私は「みんな、ついてこい」と言わんばかりに先頭を歩いた。妹は石を蹴りながら、弟は私の後ろをちょこちょことついてくる。母は少し後ろから見守っていた。...
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笹の葉の青い匂いと、母の丸い背中

昭和のあの頃、我が家のおやつは、買ってくるものではなく「作るもの」だった。今日は、ふと笹の葉の青い匂いを思い出した。母と、私(小学5年生)、小学2年生の妹、6歳の弟。4人で家を出て、近くの線路わきまで歩いて行った。電車が通ると、地面がかすか...