今日の出来事などを

茶の間に流れる雪の便り

朝食のあと、自然とテレビの前に家族が集まった。ブラウン管の奥から流れてくるニュースは、東北や北海道の大雪を伝えている。画面いっぱいに映る雪景色と、アナウンサーの落ち着いた声が、茶の間に静かに広がった。今のようにチャンネルを頻繁に変えることは...
今日の出来事などを

凍った朝の湯気

夜明け前の冷気が、家の中まで忍び込んできたような朝だった。蛇口をひねっても、水は一滴も落ちてこない。水道管が凍ってしまったのだと、すぐに分かった。冬の厳しさを、こうして静かに知らせてくる朝は、昭和の暮らしでは決して珍しくなかった。母は慌てる...
今日の出来事などを

長い冬のなかで

北海道の冬は、とても長かった。雪が降り始めると、「春はまだかな」と思う前に、雪が当たり前になる。毎日同じ景色で、同じ寒さが続く。それでも、冬が嫌いだったわけではない。朝、白い息を見ること。ストーブの前で体を温めること。煙突から出る煙を見て、...
今日の出来事などを

窓の向こうの冬

窓のビニール越しに見る冬の外は、少し不思議だった。雪が積もっているのに、音がない。風が吹いているはずなのに、聞こえてこない。まるで、絵の中の景色みたいだった。外に出ると、顔が痛くなる。でも、窓の内側から見ていると、そんなことは分からない。た...
今日の出来事などを

ストーブのいちばん前

ストーブがやっと暖かくなってくると、家の中の空気が変わる。さっきまで冷たかった指先が、じんわりしてくる。その変化が、子どもにははっきり分かった。いちばん暖かいのは、ストーブのすぐ前だ。だから、自然とそこに座りたくなる。でも、そこは父の場所だ...
今日の出来事などを

朝の白い息

朝六時、目を開けると、部屋の中がしんとしていた。布団から顔だけ出して、そっと息を吐くと、白くなった。それを見るたび、冬が来ていることを体で思い出す。北海道の冬は、目で見る前に、体が先に知ってしまう。布団の外は寒い。分かっているのに、どうして...
今日の出来事などを

冬仕事が教えてくれたこと

干し大根づくりは、子どもの私にとって、ただの季節の風景だった。しかし大人になった今、あれは暮らしを整える大切な冬仕事だったのだと、ようやく理解できる。寒さに耐え、時間をかけ、来る日々のために備える。その姿勢そのものが、生活の知恵だった。軒先...
今日の出来事などを

漬物のある食卓

夕方になると、台所から漂ってくるのは、味噌汁の湯気と、漬物の香りだった。食卓に並ぶ料理は決して豪華ではなかったが、母の漬物が一品あるだけで、不思議と食事が豊かに感じられた。干し大根を使ったたくあんは、ほどよい塩気と甘みがあり、白いご飯によく...