今日の出来事などを

白い朝に広がる三人の世界

朝、障子越しに差し込む光がいつもよりまぶしく感じられた。外を見ると、一面の雪景色だった。庭も道も屋根も、すべてが白く静かに包まれている。まだ誰も踏んでいない雪の表面は、まるで新しいノートの一ページのようで、これから始まる一日に胸が高鳴った。...
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夕暮れの帰り道と小さな誇り

遊び終わりの合図が鳴るころには、手袋も靴下もびっしょりで、体はすっかり冷え切っていた。それでも不思議と足取りは軽かった。空地に残る無数の足跡や崩れた雪の壁が、今日一日の激しい戦いを物語っていた。帰り道、夕暮れの空は淡い橙色に染まり、雪に反射...
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雪の痛みと優しさ

夢中で走り回っていた私は、つい足を滑らせて転んでしまった。雪の上とはいえ、勢いよく倒れたので、膝にじんとした痛みが走った。しばらく動けずにいると、さっきまで敵だった友達が駆け寄ってきて、「大丈夫か?」と声をかけてくれた。その声を聞いた瞬間、...
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赤いほっぺと秘密基地

雪合戦が始まってしばらくすると、ただ投げ合うだけでは物足りなくなり、私たちは自然と雪の壁を作り始めた。空地の隅に雪を集め、固め、低いながらも立派な“秘密基地”が出来上がった。息を切らしながら雪を運ぶと、手も足も感覚が薄れていく、心はどんどん...
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白い校庭に響いた笑い声

昭和三十六年の冬は、今思い返しても、しんと静かな白さに包まれていた気がする。朝、学校へ向かう道は、まだ誰の足跡もついていない雪に覆われていて、歩くたびにきゅっ、きゅっと鳴る音がやけに大きく感じられた。吐く息は白く、鼻の奥がつんと痛むほどの冷...
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石炭ストーブの火が照らした家族の時間

冬の夜、我が家の中心にあったのはこたつではなく、丸い石炭ストーブだった。ごとごとと小さな音を立てながら赤く燃える火は、部屋だけでなく、家族の心まで温めてくれていたように思う。父が専用のスコップで石炭をくべると、ふわりと独特の匂いが広がる。そ...
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帰り道の影法師

冬の帰り道、低い太陽が私たちの影を長く伸ばしていた。友だちと並んで歩くと、影同士が重なったり離れたりして、それだけで可笑しくて仕方なかった。意味もなく影を踏み合って笑い転げたあの時間は、今思えばとても贅沢だったのだろう。通学路には、いつも同...
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給食の時間に広がった小さな幸せ

四時間目の終わりが近づくころ、授業よりも気になっていたのは給食の支度の気配だった。廊下の向こうが少しざわつき始めると、教室の空気まで落ち着かなくなる。金属の食缶が触れ合う音や、当番の足音が近づいてくるだけで、胸がそわそわと弾んだ。この日の献...