今日の出来事などを

夜明けの明るさと、父の背中

朝六時半。月はすでに姿を消し、街灯も点いていないのに、外ははっきりと明るかった。冬至を越えたころから、朝の光は確実に力を取り戻している。ほんの一時間で風景が変わる季節に入ったのだと、身体が先に理解していた。外に出ると、底冷えのする空気が肌に...
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過去と今をつなぐ、静かな風

南風は昼になっても衰えず、家の周りの木々をざわざわと揺らしていた。その音を聞きながら、ふと「風もまた巡っているのだな」と思った。形を変え、季節を越え、同じ場所に戻ってくる。その在り方は、人の記憶に少し似ている。四国遍路の旅も、終わってしまえ...
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毎日の繰り返しが、心を支える

起きてから仏壇に向かうまでの一連の動作は、もはや体が覚えている。意識しなくても自然に足が運び、手が動く。それでも、決して惰性にはならない。ろうそくに火をつける瞬間だけは、必ず意識を集中させるようにしている。火は扱い方を誤れば危ういものだし、...
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第一番札所へ向かう道の、あの日の鼓動

南風の音を聞いていると、不思議と四国で迎えた最初の朝のことが脳裏に浮かんだ。徳島空港に降り立った時、まとわりつくような夏の熱気に一瞬たじろいだが、それ以上に胸の奥が熱くなっていた。これから始まる道への期待と不安が、入り混じっていたのだと思う...
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南風の朝と、変わらぬ祈りの時間

昨夜から吹き続けていた強い南風のおかげで、今朝は一月とは思えないほどやわらかな空気に包まれていた。窓を開けると、冷たさよりも湿り気を帯びた風が頬に触れ、季節がほんの少しだけ足踏みをしているように感じられる。冬の朝特有の身を刺すような冷え込み...
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一日の始まりに、感謝を置いて

こうして朝を振り返ってみると、今の生活と、昭和の北海道で過ごした日々が、静かにつながっていることに気づく。目覚まし時計の音、父の靴、柱時計のゼンマイ、コロの水皿。それぞれは小さな出来事だが、積み重なって、今の自分を形作っている。特別なことが...
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コロの水皿と、小さな責任

朝の光景の中で、忘れられないのが、愛犬コロの存在だ。アラスカ犬の雑種で黒色の毛並み、いつも尻尾を大きく振りながら近づいてきた。餌を入れる音、水を替える音を聞き分けていたのだろう。私が動き出すと、期待に満ちた目でこちらを見ていた。コロに食事と...
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父の靴と、背中の記憶

朝の身支度を終え、椅子に腰を下ろすと、また一つ、懐かしい記憶が浮かんできた。父の靴を磨く時間のことだ。黒く、ずっしりとした革靴を前にすると、自然と背筋が伸びた。父は多くを語る人ではなかったが、靴を見れば、その人の一日が想像できると、よく言っ...