今日の出来事などを

白い校庭に響いた笑い声

昭和三十六年の冬は、今思い返しても、しんと静かな白さに包まれていた気がする。朝、学校へ向かう道は、まだ誰の足跡もついていない雪に覆われていて、歩くたびにきゅっ、きゅっと鳴る音がやけに大きく感じられた。吐く息は白く、鼻の奥がつんと痛むほどの冷...
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石炭ストーブの火が照らした家族の時間

冬の夜、我が家の中心にあったのはこたつではなく、丸い石炭ストーブだった。ごとごとと小さな音を立てながら赤く燃える火は、部屋だけでなく、家族の心まで温めてくれていたように思う。父が専用のスコップで石炭をくべると、ふわりと独特の匂いが広がる。そ...
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帰り道の影法師

冬の帰り道、低い太陽が私たちの影を長く伸ばしていた。友だちと並んで歩くと、影同士が重なったり離れたりして、それだけで可笑しくて仕方なかった。意味もなく影を踏み合って笑い転げたあの時間は、今思えばとても贅沢だったのだろう。通学路には、いつも同...
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給食の時間に広がった小さな幸せ

四時間目の終わりが近づくころ、授業よりも気になっていたのは給食の支度の気配だった。廊下の向こうが少しざわつき始めると、教室の空気まで落ち着かなくなる。金属の食缶が触れ合う音や、当番の足音が近づいてくるだけで、胸がそわそわと弾んだ。この日の献...
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ゴム跳びと泥だんご:昭和36年の放課後

家に帰ると、ランドセルを玄関に置いたまま「行ってきます!」ともう一度外へ飛び出すのが、あの頃のいつもの流れだった。昭和三十六年の夕方、家の近くの空き地や路地は、私たちにとって宝物みたいな遊び場だった。舗装されていない土の道は、雨が降ればぬか...
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木の校舎が教えてくれたこと

木造校舎の記憶をたどっていると、不思議と胸の奥がやわらかくなる。あの校舎は決して新しくはなかった。床には傷があり、窓枠の塗装もところどころ剥げていた。でも、だからこそ温かみがあった。長い年月をかけて、たくさんの子どもたちの声や足音を受け止め...
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笑い声がはじけた教室

掃除のあとの教室は、いつもより少し静かで、でもどこか満ち足りた空気が流れていた。ほうきを片付けたあと、窓際に集まって外を眺めながら、他愛のない話をした時間を思い出す。好きなテレビ番組の話、給食の話、週末の予定の話。内容はとても小さなことなの...
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窓ガラス越しの冬の光

今日は、クラスのみんなで窓ガラスを拭いていた日のことを思い出した。冷たい水に雑巾をひたし、ぎゅっと絞ると手がじんと痛くなる。それでもなぜか楽しくて、友達と水しぶきを飛ばし合いながら笑っていた。窓を拭くと、くもっていた景色がすうっと透明になり...