
夜になると、北風の音は遠のき、代わりに冬特有の深い静けさが家を包み込んだ。
外は冷え込み、空気は張りつめているが、室内には穏やかな温度が保たれている。
その対比が、冬の夜ならではの安心感を生んでいた。
一日を振り返ると、朝の鋭い寒さ、昼の澄んだ光、夕方の冷たい風が、一本の線のようにつながっていることに気づく。
特別な出来事はなくとも、季節そのものが今日という日を豊かにしてくれた。
若い頃の記憶が、懐かしさだけでなく、今を支える静かな力として存在していることも、改めて感じた。
布団に入る前、冬の夜気を想像しながら、今日一日を心の中でそっと閉じる。
寒さの厳しい季節だからこそ、こうして落ち着いた夜を迎えられることが、何よりありがたい。
冬は外へ向かう季節ではないが、その分だけ、心を深く耕してくれる。
静かな冬の夜が、また一日を優しく包み込み、次の日へと送り出してくれる。
そんな安心感の中で、灯りを落とした。
明るい気持ちになる言葉
冬の静けさは、心を深く休ませてくれる。
