
給食当番の楽しみの一つ。
それは、今日のメニューを一番早く知ることだった。
給食室に入ると、並んでいる食缶で分かる。
カレーの日は、すぐに匂いで分かる。
その瞬間、心の中で「やった!」と思う。
昭和の給食は、今ほど豪華ではなかった。
パン、牛乳、スープ。
それでもカレーの日だけは特別だった。
子供たちはみんなカレーが好きだ。
だから給食当番は、少しだけ優越感があった。
「今日は当たりだ」そんな気持ちになる。
食缶を開ける。湯気が立つ。
カレーの香りがふわっと広がる。
思わず顔がほころぶ。
でも給食当番は食べられない。まずは配膳だ。
「今日カレーだぞ!」
給食当番の一人が小声で言う。
「マジか!」
もう一人が笑う。
教室へ戻ると、誰かが聞く。
「今日なに?」
すると当番が言う。
「秘密」
それだけで教室が盛り上がる。
明るい気持ちになる言葉:
小さな楽しみは、毎日の学校を少しだけ特別にする。
