
愛犬コロは、言葉を話さなかった。でも、誰よりも多くを教えてくれた。
学校で嫌なことがあった日も、友達と喧嘩した日も、コロは変わらず尻尾を振って迎えてくれた。私はランドセルを放り出し、コロの首に顔をうずめた。
温かい体温。土と草の匂い。安心という感覚は、あの瞬間のことを言うのだろう。
コロは、私の機嫌を選ばなかった。
成績も関係ない。運動ができるかどうかも関係ない。
ただ「そこにいる私」を歓迎してくれた。
私はその無条件の受け入れに、どれだけ救われていたのだろう。
ある日、妹が転んで泣いたとき、コロは真っ先に駆け寄った。
弟が拗ねて座り込めば、鼻でつついた。コロは家族の一員だった。
いや、家族をつなぐ存在だった。
今考えると、私はコロから「信頼」を学んだ。
疑わず、比べず、ただそばにいること。
大人になると、人は条件をつけてしまう。
損得を考え、距離を測る。
だがコロは違った。
だからこそ、私は思う。本当に大切なものは、計算の外にあるのだと。
明るい気持ちになる言葉:
計算のない愛に包まれて、私の心はどこまでも素直になれた。

