
劇場で観た月光仮面の姿は、今思い出しても胸が熱くなる。
超満員の客席で、家族と肩を並べて座り、スクーターに乗った月光仮面が月に向かって飛んでいく場面を見た瞬間、現実と夢の境目が消えたように感じた。
あの時の高揚感は、人生の奥深くに刻まれている。
一年を振り返ると、決して楽な道のりではなかった。
体調の不安、思うように動かない身体、先が見えない時間。
それでも、毎日を投げ出さず、出来ることを一つずつ積み重ねてきた。
ゴミ出しに行けるようになったこと、朝食を穏やかな気持ちで迎えられること。
それらは小さな出来事だが、確実に「乗り越えた証」だ。
妻との日常もまた、静かに深まった一年だった。
言葉にしなくても伝わる安心感や、互いの体調や気分を察し合う間合い。
若い頃には気づかなかった価値が、今ははっきりと見える。
月光仮面が象徴していた正義や勇気は、形を変えて、今の自分の暮らしの中にも息づいているのだと思う。
新しい年は始まったばかりだ。
派手な目標は立てなくてもいい。
ただ、去年を乗り越えた自分を信じ、今日一日を丁寧に生きる。それだけで十分だ。
あの夜、月に向かって飛んでいった月光仮面のように、心の中では今も前へ進んでいる。
そんな確かな感覚を胸に、静かに今日を終えたい。
明るい気持ちになる言葉:
あの頃の胸の高鳴りは、今も自分の中にある。

