
子どものころ、私は野菜がそれほど好きではなかった。
でも、不思議なことに給食のサラダは嫌いではなかった。
むしろ「今日はサラダだ」と聞くと、ちょっと嬉しかった。
給食のサラダは、家のサラダと少し違っていた。
キャベツやにんじん、きゅうり。
そこに少し甘酸っぱいドレッシングがかかっている。
その味が、子どもの舌にちょうどよかったのかもしれない。
大人になって気づく。
あれは「野菜を好きにさせる工夫」だったのだ。
私はスプーンでサラダをすくう。
シャキシャキしたキャベツの音が、口の中で心地よい。
パンを一口食べて、サラダを一口。
牛乳を少し飲む。
そんな順番で食べるのが、私の小さな楽しみだった。
「このサラダうまいよね」
「家のより好きかも」
「ドレッシングが違うのかな?」
そんな話をしながら、給食の時間はゆっくり流れていた。
明るい気持ちになる言葉:
少しの工夫で、苦手なものも好きになる。

