
給食当番が配った牛乳の横に、小さな袋が置かれていた。
その瞬間、教室がざわめく。
「今日はミルメークだ!」
その言葉を聞いたときの嬉しさは、今でもよく覚えている。
ミルメークは、牛乳に入れる粉。
ただそれだけなのに、子どもにとっては特別な魔法のような存在だった。
白い牛乳が、甘いコーヒー牛乳に変わる。
その変化がとても面白くて、ワクワクしたものだ。
今思えば、小さな工夫で食事を楽しくする知恵だったのかもしれない。
私は袋をそっと開け、牛乳パックに入れる。
しかし問題はそのあとだった。
粉を入れると、牛乳があふれそうになる。
慌ててストローでかき混ぜる。
すると、ほんのり甘い香りが広がった。
「ちゃんと混ぜないと底に残るよ」
「ほんとだ、まだ甘い!」
「もう一個ほしいなあ」
そんな声が飛び交い、教室は小さなお祭りのようだった。
明るい気持ちになる言葉:
小さな楽しみがある日は、心が少し豊かになる。
