
四時間目の終わりが近づくと、廊下の向こうからいい匂いが漂ってきた。
その匂いを感じた瞬間、私は「今日はきっとカレーだ」と胸が弾んだ。
教室の窓から差し込む光の中で、給食当番がワゴンを押してくる。
大きな鍋から立ち上る湯気を見ただけで、子どもだった私は嬉しくてたまらなかった。
昭和の給食は、今のように種類が多かったわけではない。
それでも、たまに出る「カレーシチュー」は特別だった。
コッペパンをちぎって、シチューにつけて食べる。
その食べ方を覚えたのは、友達の真似をしたからだった。
大人になって思う。
あの頃は、どんな食べ方でも楽しくて、それだけで幸せだったのだ。
私はコッペパンを小さくちぎり、銀色の深皿に入ったカレーシチューにつける。
パンが少しだけ柔らかくなり、カレーの味がしみこむ。
一口食べると、思わず顔がほころぶ。
「やっぱりうまいなあ」
心の中でつぶやきながら、私は夢中で食べていた。
「パンつけるとおいしいよ」
「ほんとだ!やってみる!」
「スプーンだけよりうまいね」
そんな会話が教室のあちこちで聞こえた。
明るい気持ちになる言葉:
おいしい時間は、みんなで分けるともっとおいしくなる。

