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暮れゆく光と昭和の冬

暮れゆく光と昭和の冬
夕方になると、日差しは急に傾き、空の色が淡い橙色へと変わっていった。
冬の日暮れは早く、気づけば外はもう薄暗い。
石炭ストーブの火は昼よりも強めにされ、家の中はやっと落ち着いた暖かさに包まれていた。

ストーブの上のやかんは、相変わらず静かに音を立てている。
その規則正しい音を聞いていると、時間の流れがゆっくりになるような気がする。

テレビもラジオもついていない、ただ火の音と湯の音だけがある空間。
今ではなかなか味わえない、贅沢な静けさだ。

昭和の冬は、今よりもずっと寒かったように思う。
しかし、その分、家の中の温もりが際立っていた。

外から帰ってきたときの、ストーブの前のあの安心感。
冷え切った手をかざしながら、「ああ、帰ってきた」と感じる瞬間。
その感覚は、今も体の奥に残っている。

夕方は、一日の疲れとともに、心が少しずつ緩んでいく時間だ。
忙しさや考え事も、ストーブの熱の中で溶けていくようだった。

特別なことは何も起きていないのに、なぜか満たされた気持ちになる。
そんな夕方が、昔も今も、いちばん好きな時間かもしれない。

明るい気持ちになる言葉
「一日の終わりに、心がほどけていく」

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