朝の静けさの中にいると、ふと小学生高学年の頃の記憶がよみがえる。
叔父の新聞配達を手伝っていたあの頃、まだ薄暗い時間に起きて、重たい新聞の束を抱えながら自転車で町を回った。
子どもながらに責任を感じ、配り終えた後の達成感は今でも忘れられない。
少しではあったが、お小遣いをもらえるのが嬉しくて、そのお金をどう使うかを考える時間もまた楽しかった。
自分で働いて得たお金だからこそ、使い道にも自然と意味を求めていたのだと思う。
今振り返ると、あの経験は単なるアルバイト以上のものだった。
早起きする習慣、約束を守る大切さ、そして「自分の役割を果たす」という感覚。それらは、誰かに教えられたというより、体で覚えていったものだった。
あの頃の自分は、今の自分がこんなふうに過去を思い返す日が来るとは想像もしていなかっただろう。
だが、確かにあの時間が今の自分の土台になっている。
朝の空気に触れながら、少年時代の自分にそっと礼を言いたくなった。
明るい気持ちになる言葉：
「小さな経験が、人生をしっかり支えてくれる」
