
春になれば雪は溶け、山は土の色に戻る。
けれど、私の中のあの冬は、いまだに真っ白なままだ。
忙しい日々に追われるとき、ふとあの景色が浮かぶ。
風の音。
スキー板が雪を削る音。
友だちの笑い声。
そして、母の作ったおにぎり。
あの頃は、未来の不安などなかった。明日もまた笑えると信じていた。
大人になった今、不安は増えた。責任も増えた。
けれど、あの白い世界が心の中にある限り、私は折れない気がする。
北海道の冬は厳しい。
だが、その厳しさの中で育った思い出は、何よりもあたたかい。
白い雪は溶けても、白い記憶は、決して消えない。
明るい気持ちになる言葉:
季節が巡っても、あの真っ白な朝が私を『大丈夫』と励ましてくれる。
