
平井和正さんの作品から、私は多くのことを学んだ。
男の弱さ、そして弱さを抱えたまま立ち上がろうとする強さ。
正義と悪が単純に分かれない世界で、人は何を信じ、どう生きるのか。
物語の中で描かれるのは、決して理想的な人間ばかりではない。
むしろ、不器用で、迷い、時に間違える人間の姿だ。
だからこそ、心に刺さる。
若いころに読んだときと、今読み返したときでは、感じ方がまったく違うことにも気づく。
本とは、そのときの自分の人生を映し出す鏡なのかもしれない。
平井和正さんの作品があったからこそ、私は本を心から好きになれたし、生きることについて考え続けてこられたのだと思う。
明るい気持ちになる言葉:
物語は、人生の答えではなく、考え続ける力をくれる。

