
朝のホームルームで先生が言った。
「今週の給食当番はこの班です」
自分の名前が呼ばれた瞬間、胸の奥が少しだけドキッとした。
嬉しいような、少し緊張するような、そんな気持ちだった。
給食当番は特別な役目だった。ただ食べるだけではない。
みんなの給食を運び、配り、最後に片付けまでやる。
子供ながらに、「今日は仕事がある日だ」と感じていた。
今思えば、昭和の給食当番は本当に大きな役割だったと思う。
今のように安全管理が厳しい時代ではない。
子供たちが重たい食缶を運び、牛乳ケースを持ち、配膳をしていた。
それでも不思議と「大変だ」という気持ちよりも
「任された」という誇らしい気持ちの方が強かった。
白衣を着ると、少しだけ大人になった気がした。
給食当番は、4時間目が終わる少し前に教室を出る。
給食室へ行くと、すでに大きな食缶が並んでいる。
味噌汁、カレー、シチュー、焼きそば…。
湯気が立ち上り、いい匂いが漂う。
重たい食缶を二人で持ち上げる。
「よいしょ!」
腕に力を入れながら廊下を歩く。
牛乳ケースはさらに重い。
瓶牛乳がぎっしり詰まっているからだ。
落としたら大変。みんな慎重に歩いていた。
「気をつけろよ、こぼすなよ!」
後ろから友達が言う。
「分かってるって!」
そう答えながらも、内心はかなり緊張していた。
すると先生が笑いながら言った。
「今日の給食は君たちにかかってるぞ」
その言葉で、背筋が少し伸びた。
明るい気持ちになる言葉:
任された仕事は、きっと自分を少し大きくしてくれる。

