
小学生の時代は、特別な出来事があったわけではない。
だが、毎日が濃かった。
妹と洗濯物を取り込む。弟と宿題で競う。
コロの散歩に行く。近所の子供と秘密基地を作る。どれも小さな出来事だ。
しかし、その一つひとつが、私の人格を少しずつ形づくっていた。
人は特別な成功体験で成長するのではない。
日々の繰り返しの中で、静かに磨かれていくのだ。
私は孤独ではなかった。だからこそ、比較ではなく共有を覚えた。
競争ではなく協力を知った。孤立ではなく連帯を体験した。
あの頃の私は気づいていなかった。自分がどれほど恵まれていたのかを。
大人になった今、静かな夜にふと思う。騒がしいあの時間は、宝物だった。
妹がいて、弟がいて、コロがいて、近所の子供たちがいて、同級生がいた。
それだけで、世界は十分に広く、十分に温かかった。
私はあの子供時代に、確かに救われている。
そして今もなお、あの記憶に支えられている。
明るい気持ちになる言葉:
あたりまえの景色が、一番の贈り物だった。
