
夜になると、外の冷え込みはさらに厳しくなった。
窓の外は真っ暗で、音もほとんど聞こえない。
家の中では石炭ストーブが低い音を立てながら、黙々と役目を果たしている。
その火を眺めていると、自然と心が内側へと向かっていく。
今日一日を振り返ると、特別な出来事があったわけではない。
それでも、朝の冷たい空気、昼に思い出した鍋の記憶、夕方のやわらかな光、そして今、この静かな夜。どれもが確かに自分の一部として、積み重なっている。
昭和四十年代の冬の記憶は、決して派手ではないが、確かな温もりを持っている。
石炭のストーブの上で煮物を作り、鍋を囲み、家族が同じ時間を過ごす。
そんな日々があったからこそ、今の自分があるのだと思える。
夜の静けさの中、今日一日を無事に終えられることに、静かな感謝の気持ちが湧いてきた。
寒さは厳しくても、心の中には確かな火が灯っている。
その火を大切にしながら、また明日を迎えたいと思い、そっと目を閉じた。
明るい気持ちになる言葉:
「今日を静かに終えられることが、何よりの幸せ」

