
昭和の町は静かで、そして温かかった。
駄菓子屋のおばちゃんは、私たちの名前を覚えていた。
「今日は何買うんだい?」たったそれだけで、嬉しかった。
家と学校の間にある商店、空き地、小さな神社。
どこへ行っても、知っている顔があった。
叱られることもあった。
塀に登れば「危ないぞ!」と声が飛ぶ。でも、
その声には愛情があった。町全体が、子どもを見守っていた。
私はあの空気の中で育った。
守られているという安心感が、どれだけ心を自由にしてくれていたか。
学校で嫌なことがあっても、帰り道に友達と笑えば忘れられた。
神社の石段に座り込み、どうでもいい話を延々と続けた時間。あれこそが、宝だった。
今は人と人との距離が少し遠い。
けれど、あの頃を思い出すと、人は本来つながりの中で生きるものだと感じる。
私はあの町に育てられた。だから今でも、人を信じたいと思える。
明るい気持ちになる言葉:
人は、出会うたびに新しく生まれ変われる。
