
午前中は特別な予定もなく、家の中で静かに過ごした。
窓から差し込む冬の陽射しが、床の一部を四角く照らしている。
その光の中に椅子を少し寄せ、腰を下ろすと、身体の芯までじんわりと温まってくる。
晴れの予報どおり、空は高く澄んでいて、雲の動きもゆっくりだ。
昼食は簡単なものにしたが、よく噛んで、味を確かめながら食べる。
以前は何気なく済ませていた食事も、今はこうして座って落ち着いて食べられること自体が、ありがたいと感じられる。
リハビリを経て、日常の一つひとつが「当たり前ではない」と気づかされるようになった。
食後は無理をせず、少し休むことにした。
時計の秒針の音がやけに大きく感じられ、時間が確実に前へ進んでいることを教えてくれる。
その流れに逆らうのではなく、身を任せるように過ごすことが、今の自分にはちょうどいい。
昼下がり、再び窓の外を見ると、朝よりも明るさが増している。
外に出なくても、こうして光を感じられるだけで心は少し軽くなる。
焦らず、比べず、今日という一日をちゃんと過ごす。
それだけで十分なのだと思える昼だった。
明るい気持ちになる言葉:
何もない時間こそ、心を整える大切な贈り物。
