夕方、家に戻り、二人で並んで窓の外を眺めていた。
冬の光は弱く、静かに一日が終わろうとしている。
「一年前の今日はさ…」
私が口を開くと、妻はすぐに察したように、
「病室だったね」
と答えた。
「正直、あの頃は先のことを考える余裕もなかった」
そう言うと、妻は、
「私も。どうなるんだろうって、毎日そればかり考えてた」
と、初めて当時の気持ちを口にした。
リハビリが辛かった日、
「今日はもう無理かもしれない」
と弱音を吐いた私に、
「今日はここまででいいよ」
と、妻はいつも現実的で、優しかった。
「ここまで来られたのは、君のおかげだよ」
そう伝えると、妻は少し困ったように笑い、
「一緒だっただけだよ」
と言った。その言葉が、胸に深く残った。
明るい気持ちになる言葉：
「並んで過ごした時間が、力になる」
