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今日の出来事などを

今日の出来事などを

ストーブのいちばん前

ストーブがやっと暖かくなってくると、家の中の空気が変わる。さっきまで冷たかった指先が、じんわりしてくる。その変化が、子どもにははっきり分かった。いちばん暖かいのは、ストーブのすぐ前だ。だから、自然とそこに座りたくなる。でも、そこは父の場所だ...
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朝の白い息

朝六時、目を開けると、部屋の中がしんとしていた。布団から顔だけ出して、そっと息を吐くと、白くなった。それを見るたび、冬が来ていることを体で思い出す。北海道の冬は、目で見る前に、体が先に知ってしまう。布団の外は寒い。分かっているのに、どうして...
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冬仕事が教えてくれたこと

干し大根づくりは、子どもの私にとって、ただの季節の風景だった。しかし大人になった今、あれは暮らしを整える大切な冬仕事だったのだと、ようやく理解できる。寒さに耐え、時間をかけ、来る日々のために備える。その姿勢そのものが、生活の知恵だった。軒先...
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漬物のある食卓

夕方になると、台所から漂ってくるのは、味噌汁の湯気と、漬物の香りだった。食卓に並ぶ料理は決して豪華ではなかったが、母の漬物が一品あるだけで、不思議と食事が豊かに感じられた。干し大根を使ったたくあんは、ほどよい塩気と甘みがあり、白いご飯によく...
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冷たい水と母の背中

冬の台所は、とにかく冷えた。土間に近い流し場では、水道をひねると、手が痛くなるほど冷たい水が勢いよく出た。そんな場所で、母は文句一つ言わず、師走になると大根洗いを始めた。袖をまくり、前掛けを締め直し、黙々と作業を続ける後ろ姿が、今もはっきり...
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軒先に揺れる白い時間

師走が近づくと、空気は一段と乾き、朝の吐く息が白くなる。そんな頃になると、決まって思い出すのが、軒先に吊るされた干し大根の光景である。物干し竿や太い針金に、縄で結ばれた大根がずらりと並び、冷たい風に揺れていた。白く長い大根が冬の陽を受けて淡...
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昭和の暮らしが教えてくれたこと

赤い郵便ポスト、借りた電話、そして電報。昭和の暮らしを振り返ると、どれも今では懐かしく、遠いものになってしまった。しかし、その一つ一つには、人と人が直接つながっていた確かな記憶がある。手紙を書くために机に向かい、電話を借りるために外を歩き、...
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電報という特別な知らせ

急ぎの連絡といえば、電報だった。祝電や弔電、どうしても今すぐ伝えなければならない思いだけが、あの紙に託された。文字数が限られているから、余計な言葉は入れられない。その分、言葉の重さは今よりもずっと大きかったように思う。電報が届くとき、配達の...