
「今日は裏の方から回ろう。」ケンイチが真剣な顔で言う。
「なんで?」
「昨日、正面で見つかりかけただろ。」
ヒロシがうなずく。「作戦変更だな。」
まるで本物の作戦会議だ。
小学生のくせに、真顔で地図もないのに作戦を立てる。その時間がたまらなく誇らしかった。
「もし見つかったら?」ぼくが聞くと、健一が胸を張る。
「俺が前に出る。」
「お前が出たら余計怒られるだろ。」
「なんでだよ!」
また笑いがこみ上げる。
結局、三人で協力して、見張り役と探す役を決めた。
「俺、見張る。」
「じゃあ俺はこっち探す。」
役割を持つだけで、自分たちが少し大人になった気がした。
あの頃の私は、「仲間」という言葉の意味を体で覚えた。
一人では怖い。でも、三人なら笑える。
大人になった今、あの三人の距離感を思い出す。
肩が触れるほど近くに座り、同じものを見つめ、同じことで笑った。
あんなに心を許せる時間は、そう何度も訪れない。
明るい気持ちになる言葉:
あなたが隣にいてくれる。それだけで、私の勇気は無敵になる。

