みらい

今日の出来事などを

消しゴムのかすと、小さな勇気

小学校の机を思い出すと、いつも一緒に浮かぶのが消しゴムのかすだ。授業中、ノートを消すたびにぽろぽろ落ちて、机の上に白い小さな山ができた。あの頃の私は、今よりずっと臆病だった。手を挙げるのが怖くて、答えが分かっていても黙ってしまうことが多かっ...
今日の出来事などを

木の机が覚えていた、あの頃のぬくもり

「小学校時代木の机に残る小さく書いた言葉は、誰かの時間の跡」この言葉をふと思い出したのは、朝の静かな時間だった。なぜ急にこんな記憶がよみがえったのか自分でも分からない。でも、思い出はいつも不意打ちのようにやってくる。小学校の教室は、今思えば...
今日の出来事などを

あの戸を開けた朝

夜、湯のみを手にしながら今日一日を振り返る。心に残っているのは、やはり今朝の駄菓子屋の姿だ。まだ開いていないガラス戸。人の気配のない静かな店先。それなのに、私の心の中では、何度もあの戸を開けていた。小さな手で引き戸をつかみ、ガラガラと音を立...
今日の出来事などを

十円玉の重み

昼ごろになれば、あの駄菓子屋のガラス戸は開き、子どもたちが次々と中へ入っていくのだろう。ポケットの中で小銭を握りしめながら、少し緊張した顔で。駄菓子屋は、子どもにとって初めての「自分の世界」だった。親の手を離れ、自分で選び、自分で払う。十円...
今日の出来事などを

ガラガラ戸の記憶

配達を終えた帰り道、もう一度あの駄菓子屋の前を通った。朝日は昇っていたが、まだ開店前。木枠のガラス戸はぴたりと閉じられ、店の中は薄暗いままだった。あの戸を開けるときの「ガラガラ」という音が、私は好きだった。子どもながらに「お店に入る」という...
今日の出来事などを

曇りガラスの向こう側

まだ夜明け前の薄暗い道を、新聞配達のために自転車で走らせていると、角にある小さな駄菓子屋の前を通った。昭和の頃から変わらぬその店は、木枠のガラス戸を閉めたまま、静かに朝を待っている。開店は朝十一時ごろ。今はまだ、店も眠っている時間だ。ガラス...
今日の出来事などを

ゆっくり進む、確かな道

リハビリの時間は、決して楽ではない。思うように動かない足に、もどかしさを感じる日もある。それでも続けていると、ほんのわずかな変化に気づくことがある。昨日より長く立てた。今日は一歩が少し安定した。そんな小さな出来事が、心に灯りをともす。若い頃...
今日の出来事などを

家族の記憶がくれる力

午後の静かな時間、家族のことを思い出す。三歳下の妹、六歳下の弟。長男として過ごした日々は、私の心の土台になっている。小さい頃、転んで泣いていた弟の手を引いたこと。妹が困っているとき、さりげなく助けたこと。そんな何気ない出来事が、今の私の中に...