
給食の時間、最後に残る牛乳を前に、
ほんの少しだけ憂うつな気持ちになっていた。
冷たいはずの牛乳が、時間とともにぬるくなり、
その存在感だけがじわじわと増していく。
みんなが食べ終わっていく中、
自分だけが取り残されるような、
あの独特の焦りと気まずさが胸に広がっていた。
「なぜ最初に飲まなかったんだろう」
そんな後悔が何度も頭をよぎる。
パンやおかずを優先しているうちに、
牛乳のタイミングを完全に逃してしまう。
冷たいうちなら美味しかったはずなのに、
ぬるくなった途端、急にハードルが上がるのはなぜなのか。
不思議で仕方なかった。
意を決して、一気に飲もうとパックを持ち上げる。
しかし、口に含んだ瞬間、
温度に違和感を覚え、思わず止まってしまう。
それでも周囲の視線を気にしながら、覚悟を決めて飲み干す。
その一連の動作は、まるで小さな試練のようだった。
「まだ飲んでるの?」と隣の席の友達に笑われる。
「ぬるくなっちゃってさ…」と苦笑いで返すと、
「最初に飲めばいいのに」と軽く言われる。
その言葉に、「それができれば苦労しないんだよ」と心の中でつぶやいた。
明るい気持ちになる言葉:
あの頃の小さな苦戦も、今では優しい思い出になる。

