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鍋の温もりと家族の気配

鍋の温もりと家族の気配
朝から晴れ渡った空を見上げていると、冬の冷たさの中にも、確かな優しさを感じる。
今日は特別な予定もなく、ただ時間が静かに流れていく土曜日だ。
こういう日は、心が自然と内側へと向かい、昔の情景を一つひとつ辿りたくなる。

豆腐屋のラッパの音を合図に、家族それぞれが夕方の時間へと向かって動き出す。
父は新聞をたたみ、母は台所へ立ち、私は鍋を持つ。

その流れが当たり前だったあの頃、家族が同じ時間を共有していることを、意識することはほとんどなかった。

鍋を持つ手に伝わる豆腐の温かさは、家に着くまでの短い時間、私を守っているようだった。
冷たい風に吹かれながらも、鍋の中の温もりがあるだけで、不安はどこにもなかった。

家の玄関を開けた瞬間、漂う味噌の香りと、母の背中が安心感は、今でも鮮明に思い出せる。

大人になった今、同じような安心感を得ることは、簡単ではない。
けれど、今日のように穏やかな一日を過ごしながら、記憶の中の温もりを思い返すことで、心の中に小さな灯りがともる。それだけで、また明日へ向かう力が静かに湧いてくる。

豆腐一丁を買いに行っただけの、何でもない夕方。
けれど、その何でもないことが、人生の中で何度も支えになってきたのだと、素直に思える。

穏やかな土曜日の終わりに、深く息を吸い、静かに感謝の気持ちを抱いている。

明るい気持ちになる言葉
温かさは、いつも身近なところにある。

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