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風の揺れに季節を聴く朝

風の揺れに季節を聴く朝
朝から風が強く、裏の空き地に植えられた木々が大きく揺れている。
その音は、騒がしいというよりも、空気が生きていることを伝える呼吸のようで、耳を澄ませば不思議と落ち着く。

天気は相変わらず良く、冬の名残を抱えながらも、どこか柔らかな光が漂っている。
六時を少し過ぎたころ、住宅の屋根の向こうから差し込む朝日が、瓦の縁を淡く照らしているのが見えた。

その光の角度が、もう真冬のそれではなく、季節が春へと歩みを進めていることを教えてくれる。

そんな光景を眺めながら、ふと昔の記憶がよみがえった。
「裸電球にかぶせた薄い笠」。昭和の家によくあった、あの頼りない明かりだ。

少し埃が溜まると、母が濡れた雑巾で丁寧に拭いていた姿が思い浮かぶ。
光は、笠を通すことでほんのりと柔らかくなり、部屋全体を包み込んでいた。

掃除という行為は、ただ汚れを落とすだけでなく、空間に心を通わせる時間だったのだと、今になって思う。

掃除が好きなのは、きっと子どものころからのその習慣の延長なのだろう。
床を拭き、窓を磨き、埃を払うたびに、気持ちの中まで整っていく感覚がある。

朝の風と光、そして遠い記憶が静かに重なり合い、今日という一日が、穏やかに始まったことを実感する朝だった。

明るい気持ちになる言葉
「今日も、静かに始まっている」

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