PR
スポンサーリンク

コロと過ごした年の瀬

コロと過ごした年の瀬
年の瀬になると、愛犬コロのことを思い出す。
新聞配達で稼いだお金から、コロには少し美味しいものを用意した。
当時はドッグフードなどなく、ご飯にみそ汁をかけた食事が当たり前だった。

それでも、私はこっそり煮干しをあげたり、ソーセージを買ったり、
肉屋で豚の骨を一本もらってきて、茹でて食べさせていた。

コロは教わりもしないのに、全部を食べないで骨の残りを土に埋める。
鼻を上手に使って土をかけ、鼻の上に土を残したまま戻ってくる姿が、
可笑しくて、愛おしくてたまらなかった。

本当にそばにいるだけで、毎日が楽しかった。
言葉は通じなくても、心は確かにつながっていた。

この一年、人との距離や、言葉の重さについて考えることが多かった。
だからこそ、あの無条件の温もりが、今も胸を支えてくれている。

失ったものは戻らない。
けれど、記憶は消えず、今の自分を静かに支えている。
今年を無事に終えられるのは、あの頃の温もりが、心の奥に残っているからだ。

また新しい年が始まる。
可愛いコロが教えてくれたように、
ただそばにいることの価値を忘れずに、日々を重ねていきたい。

明るい気持ちになる言葉
小さな存在が、人生を豊かにしてくれる

タイトルとURLをコピーしました