
起床時間は六時四十分。
今日は不燃ごみの日なので、少し気持ちを引き締めて布団を出た。
北風がピューピューと音を立てて吹いているが、思ったほど寒さは身に沁みない。空を見上げると、細く弧を描いた三日月が浮かび、まだ夜の名残を残しながらも外は不思議と明るい。
街灯の灯りと空の明るさが混じり合い、現実と夢の境目のような時間だった。
こんな朝は、ただ急ぐのではなく、一度立ち止まって深呼吸をしたくなる。
冷たい空気を胸いっぱいに吸い込みながら、今日も無事に目が覚めたことへの小さな感謝が自然と湧いてくる。
若い頃は、朝が来るのが当たり前だと思っていたが、年を重ねるにつれて、この「当たり前」がどれほど貴重なものかを知る。
ごみ袋を手に外へ出ると、北風が頬をなでる。
その冷たささえも、今の自分には心地よい刺激に感じられる。
今日という一日が、静かに、しかし確かに始まった。
明るい気持ちになる言葉:
「今日も新しい一日が、ちゃんと用意されている」

