
授業が終わったあとの教室は、どこか特別な空気があった。
西日が差し込んで、机や床がオレンジ色に染まる。
さっきまで賑やかだった教室が、少しずつ静かになっていくあの時間が好きだった。
友だちと「また明日ね」と言い合って、ランドセルを背負い、校庭を横切って帰る道。
特別な出来事があったわけじゃない。ただ、くだらない話をして笑いながら歩くだけ。
でも、その時間が確かに楽しかった。
あの頃は、「この毎日がずっと続く」と信じていた。
でも実際は、いつの間にか終わってしまった。
それでも不思議と寂しさよりも、あたたかさのほうが強く残っている。
今日という日も、きっと未来の自分から見たら「懐かしい一日」になるのだろう。
そう思うと、少しだけ今を大切にしたくなる。
完璧じゃなくても、思い通りじゃなくても、今日もちゃんと生きている。
それだけで十分なんだと、あの放課後のオレンジ色の光が教えてくれる。
帰り道の「また明日ね」は、ただの挨拶じゃなかった。
明日が来ることを疑わない、子どもだけが持てるまっすぐな約束だったのだと思う。
その約束の記憶が、今も私の心をそっと照らしている。
明るい気持ちになる言葉:
今日という一日は、それだけで宝物のように
