
給食のトレイに、小さなオレンジ色の丸いものが乗っていた。
それを見た瞬間、教室のあちこちから歓声が上がる。
「冷凍みかんだ!」
あの瞬間の嬉しさは、子どもにしか分からない特別な気持ちだった。
冷凍みかんは、ただのみかん。
でも、凍っているだけで、特別なデザートになる。
なぜあんなに嬉しかったのだろう。
きっと、それは「特別な日」を感じさせてくれる食べ物だったからだと思う。
毎日出るわけではない。
だからこそ、出た日はとても嬉しい。
子どもの幸せは、案外そんな小さなことだった。
私は冷凍みかんを両手で持つ。
少し固くて、指が冷たくなる。
皮をむこうとしても、なかなかむけない。
そこで机の上に少し置いて、溶けるのを待つ。
そして一口。
冷たくて、甘くて、さっぱりしている。
その味に、思わず顔がほころぶ。
「まだ固い!」
「歯が冷たいよ!」
「でもうまい!」
そんな笑い声が、教室いっぱいに広がった。
明るい気持ちになる言葉:
小さな楽しみがある日は、それだけで幸せな一日になる。
