
夕方になると、空気が一段と冷えてきた。
窓の外は薄く色づき、冬らしい静かな夕暮れが広がっている。
こうした時間帯は、一日の中でも特に感情が動きやすい。
朝の始まりとも、夜の終わりとも違う、少し曖昧で、考え事が深くなる時間だ。
台所に立ち、夕食の準備をしながら、ふと過去の自分と今の自分を比べてみる。
昔は、先のことばかりを考え、今を味わう余裕がなかったように思う。
失敗を恐れ、選択に迷い、常に何かに追われている感覚があった。
それでも、そうした日々があったからこそ、今の落ち着きがあるのだと感じる。
夕方のニュースを聞き流しながら、外が徐々に暗くなっていくのを眺める。
この移ろいの早さが、季節の深まりを教えてくれる。
寒さは決して楽ではないが、その分、家の中の温もりや、人の存在がよりありがたく感じられる。
今日という一日も、特別な事件があったわけではない。
それでも、朝に思い出した記憶、昼に感じた静かな満足感、そして今の落ち着いた時間が、確かに自分の一部になっている。
そう思うと、この一日も十分に意味のあるものだったのだと感じられる。
明るい気持ちになる言葉:
積み重ねた日々は、静かに今の自分を支えてくれている。

