
朝、目を覚ました瞬間、身体よりも先に心が静けさを感じ取った。
カーテンの隙間から差し込む冬の光は、鋭さよりもやさしさを帯びていて、
今日が穏やかな一日であることをそっと知らせてくれる。
朝から晴れ。昨日より気温も4度ほど高く、昼には12度まで上がるという予報を聞きながら、胸の奥で小さく安堵の息がこぼれた。
私は外に出ることはできない。
それでも、この光を感じられるだけで、世界から切り離されていないと確認できる気がした。
年末という言葉には、不思議な重みがある。
今年を振り返らなければならないような、何かを締めくくらなければならないような気持ちに、否応なく引き寄せられる。
けれどこの朝は、無理に何かを整理しようとは思えなかった。
ただ、今ここで呼吸をしている自分を、そのまま見つめていたいと思った。
テレビに映る帰省ラッシュや海外へ向かう人々の姿は、どこか遠い世界の出来事のようでありながら、確かに同じ時間を生きている人たちだと感じさせる。
今年は9連休。多くの人が家族や友人と新年を迎える準備をしている。
その映像を見て、羨ましさが胸をかすめたが、それ以上に「それぞれが自分の場所へ帰ろうとしている」ことに、静かな温もりを覚えた。
私はここにいる。この場所で、この体調で、この心のままで年末を迎えている。
それは決して理想通りではないけれど、否定されるものでもない。
晴れた朝の光は、そのことを言葉にせず、ただ肯定してくれているようだった。
今日という一日を、評価せず、比べず、ただ受け取る。そんな気持ちで、静かに朝を始めた。
明るい気持ちになる言葉:
今ここにいること自体が、もう十分な意味を持っている。

