
相撲中継の時間になると、家の空気が変わった。
父は腕を組み、母は台所から顔を出す。
家族みんなが、テレビの前に集まる。
柏戸と大鵬が対峙する瞬間。
あの緊張感は、今でも忘れられない。
呼吸を止める。「はっけよい…のこった!」
ぶつかり合う音。土俵の砂が舞う。
その一瞬に、すべてが詰まっていた。
子どもの私は思った。「大人って、すごいな。」
あんなにも真剣に、体と体をぶつける。
逃げない。真正面からぶつかる。
あの姿は、私の中で「強さ」の象徴になった。
人生は長いけれど、輝く瞬間はほんのわずか。
でも、その一瞬があるから、人は努力するのだろう。
柏戸の取り組みを見ながら、私は知らないうちに大切なことを学んでいた。
明るい気持ちになる言葉:
あの一瞬が、私の中でずっと魔法をかけてくれる。

