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『楽しい』だけで生きていた、あの贅沢な冬の話

『楽しい』だけで生きていた、あの贅沢な冬の話
冬の北海道は、音まで凍る。
朝、家を出た瞬間、鼻の奥がツンとするあの冷たい空気。

吐く息が白く広がり、「今日はスキー遠足だ」と胸が弾んだ。

学校に着くと、校庭はまだ薄暗く、雪がきらきらと光っていた。
スキー板を抱えた友だちの顔は、みんな赤くて、期待と興奮でいっぱいだった。

スキー場を利用する年もあったが、時には近くの山をみんなで整えて滑ることもあった。
先生たちと上級生が、雪を踏み固め、道を作る。

その姿を見て、「遊ぶためにも準備があるんだ」と子どもながらに感じていた。

山の上から見た景色は、今でも忘れられない。
白い世界の向こうに、町の屋根がぽつんぽつんと並び、煙突から煙が立ち上る。

その中に、自分の家もあるのだと思うと、不思議な安心感があった。

滑るたびに転び、立ち上がり、また滑る。
冷たい雪が手袋に染み込んでも、笑い声は止まらなかった。

あの頃の私は、ただ「楽しい」だけで生きていた。
それがどれほど贅沢なことだったか、大人になった今、ようやくわかる。

白い朝は、私の心の原点だ。

明るい気持ちになる言葉
世界が白く凍るほど、心の一番あたたかい場所が輝きはじめる。

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