
雪かきを終えて一息ついていると、黒い影が庭先を転げ回っていた。
アラスカ犬の血が混じった雑種のコロだ。
真っ白な雪の上に、ぽつんと墨を落としたような黒い体。
冷たいはずの雪の上に腹ばいになり、気持ちよさそうに目を細めている。
私が「寒くないのか」と声をかけると、コロはのっそり起き上がり、ぶるぶると体を震わせて雪を払い落とした。
その仕草がやけに堂々としていて、まるでこの雪国の主のようだった。
子ども心に、犬のほうがよほど冬を楽しんでいるように見えたのを覚えている。
コロはよく私の後をついて歩いた。
新聞配達の帰り道も、学校へ向かう途中も、少しだけ一緒に来ては途中で引き返す。
足跡が並んで続く雪道を見るのが好きだった。
自分ひとりではないと、目に見える形で教えてくれる存在だったからだろう。
動物は言葉を持たないけれど、寄り添う力は人よりもずっとまっすぐだ。
あの冬の朝、白い世界の中で黒いコロの姿は、確かに私の心を明るく照らしてくれていた。
明るい気持ちになる言葉:
のびのび生きる姿は、それだけで力になる

