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何も入っていない白い餅 ― いちばん素朴で、いちばん贅沢

何も入っていない白い餅 ― いちばん素朴で、いちばん贅沢
具の入っていない白いお餅は、一見地味だった。
でも、焼いて醤油をつけ、海苔で巻いた瞬間、主役に変わる。

その変化がうれしかった。
香ばしさと磯の香りが混ざると、胸がいっぱいになる。

飾らなくてもおいしい。足さなくても満たされる。
そんなことを、白い餅が教えてくれていたのかもしれない。

余計なものがなくても、人は十分幸せになれるのだと。

焼きあがった餅を醤油にくぐらせる。
じゅっと音がする。すぐに海苔で巻くと、香りが立ちのぼる。

手がべたべたになるのも気にせず、かぶりつく。
熱さに目を細めながら、何度も噛みしめる。

「やっぱりこれが一番だな」
「シンプルが一番ってことね」父がぽつりと言い、家族がうなずく。

ストーブの火は赤く揺れ、外の寒さを忘れさせてくれた。

明るい気持ちになる言葉
シンプルな幸せは、いつもそばにある。

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