夜になり、部屋は一層静かになった。
昼間の光はすっかり姿を消し、灯りの下にあるのは、自分の呼吸と、ゆっくり進む時間だけだ。
年の瀬の夜は、いつもよりも音が少なく感じられる。その分、心の声がはっきりと聞こえてくる。
今年は、思うように動けない時間が長かった。
そのことを考えると、悔しさや不安が胸に浮かぶ。
それでも、この夜はそれらを無理に押し込めず、そのまま感じてみることにした。
苦しさも、弱さも、今年の自分の一部だ。切り離す必要はない。
こうして言葉にしながら振り返ることで、少しずつ心の中に余白が生まれていくのを感じる。
外に出られなくても、前に進めなくても、今日という一日は確かに積み重なった。
明日になれば、また同じように朝が来る。
その繰り返しの中で、きっと少しずつ形が変わっていくものがあるはずだ。
夜の静けさは、答えを急がせない。ただ「今はこれでいい」と、そっと寄り添ってくれる。
年の終わりのこの夜は、新しい年の始まりを準備するための時間なのだと思う。
何かを決意しなくてもいい。
ただ、心を休ませ、余白を残す。それだけで、十分に次へつながっている。
そう思いながら、静かに今日を終える。
明るい気持ちになる言葉：
静かな夜は、心を整え、明日へつなぐ場所。
