
「今日はここまで!」
その一言が、どれだけ残酷だったことか。
もっと聞きたい。続きが知りたい。
でも、おじさんはにっこり笑って、また来週と言う。
自転車が遠ざかる。拍子木はもう鳴らない。
その帰り道が、少しだけさみしかった。
空はすっかり茜色。カラスが鳴き、どこかの家から味噌汁の匂いが漂う。
僕は家へ向かって歩きながら、頭の中で続きを作っていた。
あの勇者はどうなるんだろう。悪者は本当に改心するのか。
想像は、いくらでも広がった。
あの「未完成」こそが、楽しかったのだと思う。
すべてがすぐに手に入らなかったから、心は伸びていった。
さみしさも、時間がたつとあたたかくなる。
それを教えてくれたのが、あの夕焼けだった。
明るい気持ちになる言葉:
さよなら、僕だけの少年時代

