
大人になった今でも、ジンギスカンの匂いをかぐと
あの頃の夕飯を思い出す。
鉄の鍋。もやしとにんじん。
兄妹の笑い声。
そして、外で待っていたコロ。
胸がじんわり温かくなる。あの頃は当たり前だった。
父が鍋を出して、母が野菜を盛り、
妹と弟が騒ぎ、お兄ちゃんがこっそり肉を持ち出す。
そんな何気ない時間が、
今ではとても大切な思い出になっている。
もし時間が戻るなら、またあの食卓に座りたい。
妹と弟と並んで、鍋を囲んで、父と母の声を聞く。
そして、またこっそり肉を持って外へ行く。
「コロ、内緒だぞ」ぼくが言う。
コロは尻尾を振る。
その姿を見ながら、妹が言うかもしれない。
「お兄ちゃん、またコロにあげてるでしょ?」
そんな会話を思い出すと、自然と笑顔になる。
明るい気持ちになる言葉:
思い出は、心をあたため続ける宝物。
