
ジンギスカンの日には、もう一つ楽しみがあった。
それは、コロにおすそ分けすることだった。
嬉しいけれど、少しだけドキドキする。
見つかったら怒られるかもしれないからだ。
家の外には、愛犬コロがいる。
黒い毛をしたアラスカ犬の雑種で、体は大きくて優しい目をしている。
夕飯の時間になると、コロは玄関の近くで待っていた。
「コロにも少し食べさせたいな」
ぼくはそう思ってしまう。
家族が食べ始めると、ぼくは肉を一枚つまむ。
口に運ぶふりをして、食べたふりをする。
そして、こっそり手の中に隠す。
妹と弟が鍋を見ているすきに、ぼくは静かに立ち上がる。
玄関を開けると、コロが待っていた。
「コロ、内緒だぞ」
ぼくが小声で言うと、コロは尻尾をぶんぶん振る。
肉をあげると、嬉しそうに食べる。
家の中から妹の声が聞こえる。
「お兄ちゃん、どこ行ったの?」
ぼくは慌てて答える。「すぐ戻るよー!」
コロは満足そうな顔をしていた。
明るい気持ちになる言葉:
やさしい気持ちは、誰かに分けるともっと大きくなる。

