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補助輪を脱ぎ捨てた日

補助輪を脱ぎ捨てた日
最初は補助輪付きだった。

カラカラと音を立てながら走る黒い自転車。
安定はしているが、どこか頼りない。

友だちが片方の補助輪を外して、ふらつきながらも必死にこいでいる姿を見て、私は思った。

「俺もやる。」
片方を外した瞬間、世界が揺れた。体が左右に振られる。

何度も転び、膝をすりむいた。土の匂いと、少しの悔し涙。
それでも不思議と、やめようとは思わなかった。

遠くで祖父が言った。
「転んでもええ。立ち上がればええ。」

その言葉が背中を押した。

そして、ついに両方の補助輪が外れた日。
ペダルを強く踏み込むと、体がすっと前へ進む。風が顔を打つ。地面が流れていく。

「あ、乗れてる…!」胸が爆発しそうだった。

あの瞬間、私は「できないことができるようになる喜び」を知った。
黒い自転車と一緒に、私は少し強くなった。

明るい気持ちになる言葉
挑戦するたび、僕の世界の境界線が外へと広がっていく。

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