昼休みになると、胸がそわそわしていた。
小学校の近所にあった本屋さんまで、友だちとではなく一人で走って行き、週刊マガジンを買う。
その時間が、何よりの楽しみだった。
読む前から、紙の匂いと表紙の重みだけで心が躍った。
当時は、少年マガジン、少年サンデー、そして後に少年ジャンプと、漫画の週刊誌が子どもたちの世界の中心にあった。
私は迷わず少年マガジン派。
友だちと貸し借りをしながら、それぞれの好みや感想を語り合った時間は、今思えばとても豊かな交流だった。
漫画の中には、笑いも涙もあり、何より「正義とは何か」を自然に教えてくれる物語があった。
言葉で説教されるよりも、物語を通して感じ取る正義の方が、子どもの心には深く染み込んでいく。
ページをめくるたびに、世界が広がっていく感覚。
あの頃の私は、漫画を読んでいただけなのに、確かに大切な何かを学んでいたのだと思う。
明るい気持ちになる言葉：
「夢中になった時間は、心の宝物になる」
