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今日の出来事などを

今日の出来事などを

飴玉ひとつ分の、あたたかい記憶

駅に向かうバス停の手前にあった、小さなたばこ屋さん。店番のおばあちゃんは、父のお使いでタバコを買いに行くと、必ず飴玉をひとつくれた。手のひらに残った甘い記憶。あの飴玉ひとつが、当時の私には世界のすべてだった。「えらいねぇ」と言われるのが嬉し...
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豆腐の湯気の向こうに見えた、大人の背中

商店街の豆腐屋さん。大きな鍋から立ち上る白い湯気の向こうで、無口なおじさんがいつも黙々と働いていた。子どもの私には、あのおじさんが少しだけ強面(こわもて)に見えていた。でもそれは、おじさんがとても静かで、不器用な人だったから。自分から話しか...
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用事のない帰り道が、いちばん豊かだった

家からたった5分のバス通り。そこに並んでいた商店街は、今思い出しても不思議な力を持っている。一歩踏み出すたびに、自分が少しだけ好きになれる。そんな場所だった。大型スーパーもコンビニもないのに、いや、なかったからこそ、あそこには“人の気配”が...
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放課後の光と、帰り道の約束

授業が終わったあとの教室は、どこか特別な空気があった。西日が差し込んで、机や床がオレンジ色に染まる。さっきまで賑やかだった教室が、少しずつ静かになっていくあの時間が好きだった。友だちと「また明日ね」と言い合って、ランドセルを背負い、校庭を横...
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窓ぎわの席と、遠い空

教室の窓ぎわの席は、特等席だった。授業中なのに、つい外を見てしまう。先生の声が遠くなり、視線の先には広い空と、ゆっくり流れる雲。あの頃の私は、空を見ながらいろんなことを考えていた。大人になったら何になるんだろうとか、遠くの街にはどんな人がい...
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消しゴムのかすと、小さな勇気

小学校の机を思い出すと、いつも一緒に浮かぶのが消しゴムのかすだ。授業中、ノートを消すたびにぽろぽろ落ちて、机の上に白い小さな山ができた。あの頃の私は、今よりずっと臆病だった。手を挙げるのが怖くて、答えが分かっていても黙ってしまうことが多かっ...
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木の机が覚えていた、あの頃のぬくもり

「小学校時代木の机に残る小さく書いた言葉は、誰かの時間の跡」この言葉をふと思い出したのは、朝の静かな時間だった。なぜ急にこんな記憶がよみがえったのか自分でも分からない。でも、思い出はいつも不意打ちのようにやってくる。小学校の教室は、今思えば...
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あの戸を開けた朝

夜、湯のみを手にしながら今日一日を振り返る。心に残っているのは、やはり今朝の駄菓子屋の姿だ。まだ開いていないガラス戸。人の気配のない静かな店先。それなのに、私の心の中では、何度もあの戸を開けていた。小さな手で引き戸をつかみ、ガラガラと音を立...