
夜、湯のみを手にしながら今日一日を振り返る。
心に残っているのは、やはり今朝の駄菓子屋の姿だ。
まだ開いていないガラス戸。人の気配のない静かな店先。
それなのに、私の心の中では、何度もあの戸を開けていた。
小さな手で引き戸をつかみ、ガラガラと音を立てて中に入る幼い日の自分。
胸いっぱいに広がる甘い匂いと、どれにしようかと迷う楽しい時間。
大人になった今、あの頃より多くの物を手にしている。
それでも、あの駄菓子屋で味わった胸の高鳴りに似た気持ちは、そう何度もあるものではない。
今朝の静かな駄菓子屋は、大切な気持ちを思い出させてくれた。
懐かしさは、過去へ戻るものではなく、今をやさしく生きるための灯りなのかもしれない。
そう思いながら、静かに湯のみを置くとしょう。
明るい気持ちになる言葉:
こころの思い出は、今の自分へのすてきな贈りもの
