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飴玉ひとつ分の、あたたかい記憶

飴玉ひとつ分の、あたたかい記憶
駅に向かうバス停の手前にあった、小さなたばこ屋さん。
店番のおばあちゃんは、父のお使いでタバコを買いに行くと、必ず飴玉をひとつくれた。

手のひらに残った甘い記憶。あの飴玉ひとつが、当時の私には世界のすべてだった。

「えらいねぇ」と言われるのが嬉しくて、次はいつお使いが来るだろうと期待していた。
あの頃の自分は、役に立つことが誇らしかったんだと思う。

口に含んだ飴玉が溶けるたび、見守られているという確信が心に染み渡っていく。

今の社会は、成果とか数字とか、目に見えるものばかりが評価されがちだ。
でもあのおばあちゃんは違った。

ただ来ただけの子どもに、当たり前みたいに優しさを手渡してくれた。

あの飴の甘さは、とっくに口の中から消えたのに、心の奥にはまだ残っている。
使えばなくなるものじゃない。優しさは、思い出の中で育っていくものだ。

今日は誰かに飴玉はあげられないけど、言葉ひとつくらいは渡せる大人でいたいと思った。

明るい気持ちになる言葉
「何気ない一言や差し伸べられた手が、時を越えて一生の宝物へと変わる。」

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