
小学校の机を思い出すと、いつも一緒に浮かぶのが消しゴムのかすだ。
授業中、ノートを消すたびにぽろぽろ落ちて、机の上に白い小さな山ができた。
あの頃の私は、今よりずっと臆病だった。
手を挙げるのが怖くて、答えが分かっていても黙ってしまうことが多かった。
間違えたらどうしよう、笑われたらどうしよう、そんなことばかり考えていた。
ある日、勇気を出して手を挙げたことがある。
たった一回のことなのに、今でもはっきり覚えている。
心臓がドキドキして、指先まで熱くなった。
でも、先生に当てられて答えたあと、「よくできました」と言われたとき、教室の景色が少し明るくなった気がした。
机の上には、いつものように消しゴムのかすが散らばっていた。
私はそれを指で集めながら、「あ、できた」と心の中でつぶやいた。
ただ問題に答えただけなのに、自分の殻をひとつ破ったような気がしたのだ。
大人になった今でも、新しいことの前では足がすくむ。
でも、あの時の小さな自分が教えてくれる。
「大丈夫、あの時もできたじゃないか」と。
机の上の消しゴムのかすの山は、私には“勇気の記念碑”だったのかもしれない。
ほんの少しの勇気が、こんなにも長く心に残るなんて。
子どもの自分に、今なら「ありがとう」と言ってあげたい。
明るい気持ちになる言葉:
小さな一歩が、未来の景色が変わってくる

