
冬の帰り道、低い太陽が私たちの影を長く伸ばしていた。
友だちと並んで歩くと、影同士が重なったり離れたりして、それだけで可笑しくて仕方なかった。
意味もなく影を踏み合って笑い転げたあの時間は、今思えばとても贅沢だったのだろう。
通学路には、いつも同じ犬がいて、同じおばあさんが洗濯物を取り込んでいた。
世界は小さかったけれど、その分、安心で満ちていた。
変わらない景色の中、私たちは少しずつ背を伸ばし、知らないうちに心も成長していたのだ。
家に近づくと、夕飯の支度の匂いが漂ってくる。
あの匂いは「おかえり」の合図だった。
誰かが待っている場所があることが、どれほど心強いことか、子どもの私はまだ知らなかった。
長い影を引きずりながら歩いたあの道は、今の私につながる一本道だったのだと、ふと気づく。
遠回りに見えても、ちゃんと家に帰り着ける。
そんな安心を、あの頃の夕暮れが教えてくれた。
明るい気持ちになる言葉:
今日の終わりは、明日への入り口

