
ふとした瞬間に、遠い昔の記憶というのは不思議なくらい鮮やかによみがえるものだ。
今日はなぜだか、小学校の長い木造校舎の廊下を歩いている自分の姿が、心に浮かんだ。
あの廊下は、歩くたびに「きゅっ、きゅっ」と優しい音を立てていた。
きれいに掃除された木の床は、冬でもどこかぬくもりがあって、冷たいが安心する感触。
太陽の光が窓から斜めに差し込み、床板の節や傷を照らしていた光景は、今でも忘れられない。
あの頃は毎日が当たり前で、特別だなんて思っていなかった。
でも今思うと、あの何気ない時間こそが宝物だったのだと気づく。
友達と並んで歩くだけで楽しくて、理由もなく笑い合って、廊下を走って先生に叱られて。
それさえも、今では胸があたたかくなる思い出だ。
大人になった今、効率や結果ばかりを考えてしまうけれど、あの頃のただ「今が楽しい」という気持ちだけで生きていた気がする。
あの廊下の木の香りを思い出すと、焦る気持ちがすっと静まり、「大丈夫だよ」と心の奥から声が聞こえてくるようだ。
思い出は過去のものだけれど、心をあたためてくれる力は今もちゃんと生きているのだと、今日はしみじみ感じた。
明るい気持ちになる言葉:
思い出は、心をあたためる羽毛毛布

