
朝六時、目を開けると、部屋の中がしんとしていた。
布団から顔だけ出して、そっと息を吐くと、白くなった。
それを見るたび、冬が来ていることを体で思い出す。
北海道の冬は、目で見る前に、体が先に知ってしまう。
布団の外は寒い。
分かっているのに、どうしてもトイレに行きたくなって、思い切って布団をはねのける。
足の裏が畳に触れた瞬間、声が出そうになるほど冷たい。
廊下はもっと寒くて、息を止めて一気に歩く。
居間では、父がもう起きていて、石炭ストーブの前にしゃがんでいる。
火ばさみが石炭に当たる音が、カン、カンと静かに響く。
まだストーブはぬるくて、近づいても暖かくない。
それでも、父がいるだけで少し安心する。
しばらくすると、煙突が鳴るような音を立て始める。
外を見ると、屋根の上から白い煙が出ている。
あれを見ると、「もう少しで暖かくなる」と思える。
白い煙は、冬の空に吸い込まれて、すぐに消えてしまうけれど、その下に自分の家があることが、なんだか誇らしかった。
窓にはビニールが張ってあって、外の景色はぼんやりしている。
雪は降っていないけれど、外はきっと、とても寒い。
外に出るのはこわい。
でも、家の中でストーブが赤くなっていくのを見ると、「ここにいれば大丈夫」と思えた。
明るい気持ちになる言葉:
こわくても、そばに人がいる
